定規しか見たことがないと、バーニヤ目盛りの意味が全然分からないと思います。この目盛りがあることで、0.05mm単位の測定が可能なのです。本尺目盛りで1mmまでの寸法を読み、0.1mm以下の寸法はバーニヤ目盛りを読みます。1mm単位の寸法は本尺目盛りとバーニヤ目盛りの0が最も近いところ(写真赤線1)、0.1mm以下の寸法は本尺目盛りとバーニヤ目盛りが最も近いところ(写真赤線2)です。双方の目盛りが“まるで一本の線に見える”ような箇所です。
上の写真は、「115.15mm」です。目がしょぼしょぼしますが……、頑張って読んでみてください。
ノギスで何回か測定すると、どんなにうまく測ろうとしても、その都度で微妙に違う寸法が出たりします(測定誤差)。測定対象の表面形状や付着したゴミ、ノギスを当てた時の微妙な角度など、さまざまな条件が重なることで起こります。専門的にはいろいろと説明すべきことがあるのですが、ここではひとまず「きちんと測定したいと思ったら、何回も測ってみる。または何か所も測ってみる」と理解しておけばよいと思います。ちなみに、どんなに高価な測定器を使っても、誤差は非常に少なくなるだけであって、必ず生じるものです。
また3次元CADの世界では完璧な垂直、水平、真円が表現できますが、現実世界のモノは全くその通りの形状が再現できません(理論的に正確な値に限りなく近づけることはできます)。身の回りにある家電の筺体や部品の形状では、まず「真円や直角はあり得ず、ゆがんでいる」と考えておけばよいでしょう。
なので、「何回か、あるいは何か所も測って、たくさん出た数値(あるいは近い数字)を採用する」「測定結果はある程度丸める(0.1以下は思い切って切り捨てるなど)」ということを押さえてみてください。
とても簡単にではありますが、ノギスの使い方の超基本について説明しました。少しでも本記事が、誰かのDIYライフのお役に立つなら幸いです。
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