東芝は、新型のDNA検査装置「GenelyzerII」と、14種の食中毒原因菌を同時判定できる「衛生管理用検査キット」を発表した。従来の培養法で4〜5日程度必要だった食中毒原因菌の検出が、2時間以内に同時判定できる。
東芝は2015年1月19日、DNAの増幅・検出・判定までを全自動で行うDNA検査装置「GenelyzerII(ジェネライザー)」を発売した。また、食中毒原因菌14種を2時間以内に同時判定する「衛生管理用検査キット」も同年4月から販売する。
同社のDNA検査システムは、「DNA検査装置」と検査用DNAチップカードを含む「検査キット」で構成される。今回発売された新型DNA検査装置のGenelyzerIIは、検体から抽出した核酸サンプルを検査DNA用チップカードに添加し、装置にセットするだけで何のDNAかを判定できる。また、試薬調製や増幅操作などを自動化したことで、検査開始までの手間を省略化した他、独立した4スロットで、複数の同時検査が可能になった。
併せて製品化された衛生管理用検査キットは、短時間で多項目同時検査が可能なDNAチップの特性を生かし、食中毒原因菌14種(22遺伝子)を同時判定できる。従来の培養法では、腸管出血性大腸菌やサルモネラ、カンピロバクターなどの食中毒原因菌の検出には4〜5日程度必要だったが、2時間以内に判定できる。
さらに、検査用DNAチップカード内に必要試薬類をパッケージ化したことで、検査ごとの試薬準備・配合などの手間を省略化し、操作性が向上した。これにより、ヒューマンエラーや結果のばらつきも抑止できる。
価格(税抜き)は、DNA検査装置が800万円、衛生管理用検査キットが9500円。同社では今後、検査装置で使用する多種多様なキットを販売する予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.