先述した通り、ZFのキラーコンテンツはなんといっても変速機。多くのメーカーがオファーを出す人気商品です。上海で行われた試乗会には先述したイヴォークやチェロキーの他、ZFが手掛けたクルマが多く用意されていました。例えば「BMW 3シリーズ」やポルシェの変速機もZF製ですし、アウディでも採用されています。
また、モータースポーツ向けにも多くのクラッチを提供していて、日本国内レースでもスーパーGTのシリーズパートナーになっています。以前紹介したWEC世界耐久選手権(関連記事:ハイブリッドレースカーが火花を散らす、今WECがアツイ!)では、2014年のマニファクチャラーズとドライバーズ、両方のチャンピオンを獲得したトヨタ自動車と、「ル・マン24時間レース」を制したアウディ、両方のチームがZFのクラッチを指名しています。
このようにZFの変速機は欧州では高級スポーツモデルで多く採用されていて、先述のBMWのような後輪駆動車や、アウディの四輪駆動車とのマッチングは既にバッチリ。
で、そこからの9速ATユニット(ZF式に言えば9HP)です。
この9HP、実はもう1つひっくり返りポイントがあって、なんとエンジンをフロントに横置きするFFレイアウトに対応させた、非常にコンパクトなATだということです。
ご存じの通り今や世界の75%がFF車ですから、FFにも搭載できる多段ATを開発できたということは、それだけ多くの車種に対応させられるという意味でもあります。
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