国際競争の激化や新興国の追い上げなど、日本のモノづくり産業を取り巻く環境は厳しくなりつつある。こうした状況を打開すべく、新たな設計手法の開発や日本全国の企業や個人のアイデアや技術を活用することで、グローバルに通用する新たな市場の創出を目指すのが「革新的設計生産技術」プログラムだ。PDは日立製作所 研究開発グループ 技師長の佐々木直哉氏が務める。2014年度の分配予算は25億5000万円である。
同プログラムにおいてメインの研究開発テーマとなるのが「超上流デライト設計手法の確立」である。これは、種々のデータや試行から抽出されたニーズ、価値・性能・デライト(喜び、満足度)をベンチマークとして製品やシステムの設計を行う手法だ。生産・製造条件や市場の反応に応じて設計内容を修正できる機能も含まれるという。
こうした研究開発を推進する過程に、ユーザーや企業を参加させるのも同プログラムの特徴となっている。プログラムの成果を実際のモノづくりに適用した際に、ユーザーや企業からの意見を集めて研究開発にフィードバックしていくという。また、佐々木氏は「2020年の東京オリンピック・パラリンピックにおいて、日本のモノづくり技術を世界に向けてアピールしたい」としている。
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