日本国内の道路や鉄道など、高度経済成長期に建設された社会インフラの老朽化は、事故の可能性や、維持補修費による財政負担の増加など、懸念すべき大きな課題となっている。こうした課題を解決すべく、事故の未然防止や維持管理、メンテナンスのコストを削減する次世代マネジメント技術の開発を目的に「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」というプログラムが設けられた。PDは、横浜国立大学 先端科学高等研究院 上席特別教授の藤野陽三氏が務め、2014年度の配分予算は36億円である。
藤野氏は、同プログラムの概要について「情報通信技術(ICT)とロボット技術(IRT)を融合させた“IRTC”を活用するインフラマネジメントを構築していく」と説明。同プログラムでは、センサー類などを利用した点検やモニタリング、構造材料の劣化予測、維持管理・補修に関するデータマネジメント、点検・補修や災害現場での調査などで利用できるロボットなど各種技術の研究開発に取り組む。
また、これらの各研究成果が実際のインフラマネジメントの現場で利用され、その際に人材やコストといったリソースを効率よく運用するためのアセットマネジメント技術の研究開発も重要なテーマとして取り組んでいくとしている。
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