ソニーは、株式市場に向けた経営方針説明を行う「ソニーIRデー」を開催し、エレクトロニクス分野の各事業部門がそれぞれ2017年度までの方針を紹介した。その中で、スマートフォンビジネスの再建策についても説明し「売上高が2〜3割下がっても利益が出せる体制にする」(ソニーモバイルコミュニケーションズ 代表取締役社長兼CEO 十時裕樹氏)としている。
ソニーは2014年11月25日、株式市場に向けた経営方針説明を行う「ソニーIRデー」を開催し、エレクトロニクス分野の各事業部門がそれぞれ2017年度(2018年3月期)までの取り組みを紹介した。その中で、スマートフォンビジネスの再建策についても説明し、利益重視の構造改革を進め、2016年度(2017年3月期)には「売上高が2〜3割下がっても利益が出せる体制を目指す」(ソニーモバイルコミュニケーションズ 代表取締役社長兼CEO 十時裕樹氏)としている。
経営再建中のソニーは、エレクトロニクス事業の構造改革を何年にもわたり、取り組んできている。大きな赤字を出していた事業には、ゲーム事業、モバイル事業、テレビ事業などがあったが、まずPS3が黒字転換し、PS4が順調な滑り出しを見せたゲーム事業が安定した黒字を生み出す事業構造になった。さらに、2013年度には、XPERIAシリーズをヒットさせたモバイル事業が黒字化への道筋を見せた。さらに2014年度(2015年3月期)には、慢性的な赤字体質となっていたテレビ事業が2014年度第2四半期まで2四半期連続で黒字を出しており、ようやく構造改革から一息つく形になりかけた(関連記事:ソニー、構造改革の打ち止めなるか!? テレビ事業が11年半ぶりの2四半期連続黒字)。
しかし、成長フェーズが期待されていたモバイル事業が2014年度に入ってからは急きょ赤字に転落。事業構造に今後もしばらく反転が望めないことから2014年9月に、1800億円の営業権の減損処理を行い、2014年度第2四半期も大幅な赤字を計上している(関連記事:ソニーのスマホ事業はもう成長できない!? 1800億円の減損を発表)。
ソニーのIRデーは2014年11月18日と25日の2日にわたって開催されたが、IRデ―1日目に登壇した同社代表執行役社長兼CEOの平井一夫氏は「モバイル・コミュニケーション事業は既にソニー最大の事業となっている。その収益性を回復できるかが構造改革のカギを握る。まずは安定的に収益が出せる体制に変わることが重要だ」と述べている。
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