ソニーは2013年度の連結決算を発表。2013年度は1284億円の最終赤字となった他、2014年度も500億円の最終赤字を予想する。さらに2014年度までの経営目標「売上高8兆5000億円、営業利益率5%以上」も未達となることが明らかになった。
ソニーは2014年5月14日、2014年3月期(2013年度)の連結業績を発表。2013年度は売上高は伸長したものの損益に関しては期初の目標数値を大きく下げ1284億円の最終損失となった。3カ年の中期計画の最終年となる2015年3月期(2014年度)の最終損益も500億円の赤字となる見込みで、さらに経営目標数値と掲げていた「売上高8兆5000億円、営業利益率5%以上、ROE10%以上」についても達成は難しい状況となった。同社ではこの中期計画期間に構造改革を終了し成長戦略へシフトチェンジしていく方針だったが、それも難しい状況となった。
ソニーの2013年度の連結業績は、売上高が前年度比14.3%増の7兆7673億円、営業利益が同88.3%減の265億円、最終損益が1699億円悪化し1284億円の赤字となった。3度の下方修正を通じ、期初に見込みとしていた売上高7兆5000億円、営業利益2300億円、当期純利益が500億円に対し、大幅に下回る実績となった。
業績について、ソニー 代表執行役 EVP兼CFOの吉田憲一郎氏は「非常に重く受け止めている。現状認識やマクロトレンドの影響への認識が甘かったと言わざるを得ない。そのため、事業改革やコスト構造改革などが遅れた。またエレクトロニクス、金融、エンターテイメントの3つの主要部門のうち、エレクトロニクス以外の2つでは好調を持続していたことも、抜本的対策が遅れた理由だと考えている」と話している。
これらの状況により、2014年度も引き続き構造改革を進めざるを得ない状況となった。2014年度の連結業績見込みは売上高が前年度比0.4%増の7兆8000億円、営業利益が同5.3倍の1400億円、最終損益が500億円の赤字としている。2014年度は同社にとって3カ年の中期計画の最終年度で「売上高8兆5000億円、営業利益率5%以上、ROE10%」を目標として掲げていたが、達成は難しいことが明らかとなった(関連記事:ソニー、復活へ道半ば――鍵を握る“感性価値”商品)。
同社では、同中期計画期間中に構造改革を完遂するとともに、新たな成長への投資を進め、次回の中期計画からは成長へとかじを切る方針を示していたが、現実的にはそれは厳しい状況となった。
吉田氏は「取り組みの優先順位としては、1番がコスト構造改革を進めること、2番がコア事業の強化で、3番目に新規事業へのチャレンジ、となる。まずはコスト体質を改善して投資ができる環境を作り、さらにその投資は重点3事業を優先する」と話す。
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