ハンガリーのナビコアソフトベンダー・NNGは、車載情報機器向けに特化したナビコアソフト「iGO primo nextgen」を発表した。同ソフトを先行採用した日本メーカーの車載情報機器は、賞を獲得するほど高い評価を受けているという。
ハンガリーのナビコアソフトベンダー・NNGは2014年10月14日、車載情報機器向けに特化したナビコアソフト「iGO primo nextgen」を発表した。
ナビコアソフトとは、ナビゲーションの機能を統括/制御するナビゲーションコアソフトウェアのことである。NNGは、ナビコアソフトの大手で世界シェアは26%に達する。
同社がこれまで展開してきたナビコアソフト「iGO primo」は、車載情報機器だけでなく、スマートフォンやPND(Personal Navigation Device)などにも向けた汎用の製品である。これに対して、iGO primo nextgenは、車載情報機器のカーナビゲーション機能向けに特化して開発された。
iGO primo nextgenの大きな特徴は2つある。1つは、カーナビゲーションのHMI(Human Machine Interface)をフレキシブルに変更できる機能である。ディスプレイの画素数や画素密度に合わせて、最適な表示方法に変更することが可能だ。また、タッチパネルによる操作だけでなく、欧州車に多いロータリーコマンダーや音声認識といったさまざまな入力操作に対応させることも容易だという。
iGO primo nextgenのカーナビゲーション画面は、標準状態では「シンプルですっきりとしたデザイン」を採用している。日本市場で用いられているカーナビゲーションの画面と比較すると、情報量が少なく感じられるかもしれない。NNGのビジネス開発ディレクターを務める池田平輔氏は、「2015年内に日本市場に投入予定のiGO primo nextgenは、VICS対応や分岐合流点での分割画面表示など約40種類の独自機能を搭載するので、シンプルなデザインから、日本市場に最適な情報量の多いカーナビゲーション画面に拡張しやすくなっている」と語る。
iGO primo nextgenの開発では、日本の車載情報機器メーカーによる先行評価が大きな役割を果たしたようだ。さらに、「その日本メーカーがiGO primo nextgenの先行評価バージョンを用いて開発した車載情報機器は、賞を獲得するほど高い評価を受けている」(池田氏)という。
iGO primo nextgenのもう1つの大きな特徴は、スマートフォンとの連携をスムーズに行えるようにする「NavFusion」だ。NavFusionでは、車載情報機器側のカーナビゲーションと、スマートフォン側のナビゲーションアプリは独立して動作する一方で、自在に同期させることが可能だ。例えば、スマートフォンのナビゲーションアプリの地図データを更新すると、車載情報機器とスマートフォンを接続した際に車載情報機器の地図データも更新される。地図データだけでなく、駐車場やガソリンスタンドをはじめとする施設情報(POIデータ)なども同期して更新できる。スマートフォンのナビゲーションアプリで設定したルート設定は、車載情報機器とスマートフォンを接続した際に自動的に車載情報機器で利用できるようになる。
池田氏は「ディスプレイオーディオにスマートフォンのナビゲーションアプリを表示するタイプのカーナビゲーションは、車速パルスの情報などが使えないこともあって正確さに欠けるが、地図データやPOIデータを常に最新の状態で利用できるというメリットがある。iGO primo nextgenを使えば、地図データをPOIデータを更新できるとともに、より正確なナビゲーションも行えるので、車載情報機器を差異化ポイントにしたいと考える自動車メーカーの要望に応えられる」と述べている。
NavFusionは単体での採用が既に決まっている。2015年内に欧州市場に投入される市販のカーナビゲーションシステム(カーナビ)に搭載される見込み。この市販カーナビは、その後、米国、日本の順で展開される予定である。
なおNNGは、iGO primo nextgenの日本市場投入に先駆けて、日本国内の拠点展開を当初の予定より拡大する方針も明らかにした。2014年11月に、東京と名古屋の2カ所に拠点を開設する。同社は同年4月の会見で、名古屋に拠点を設ける方針を示していた。
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