ソフトウェア単体から実車まで、テストって本当に大変：モデルベース開発奮戦ちう（6）（2/5 ページ）

[JMAAB／いまさら聞けないMBD編集委員会，MONOist]

単体テストが終わったら統合テスト

　坂田さんを中心としたソフトウェアチームは、各種ツールを運用しながらテスト仕様書に基づいて単体テストを実施した。

大島さん、従来よりも短時間で単体テストが完了しました。ツール利用の効果もありますが、上流で品質が確保されているせいか、いつもより不具合が少なかったので時間短縮を図れたのだと思います。

良かったですね。通常は次に組み合せテストを行いますが、統合テストで漏れなくできる場合には、統合テストで良いことにしましょう。

　大島さんと坂田さんは、単体テストの結果を検討して、既に作成してあった組み合せテストの仕様を見直した。さらに今後の統合テストの仕様も考慮することになったので、HILSに詳しい五十嵐さんも呼んだ。

今回、組み合せテストの仕様を見直したのですが、HILSを使った統合テストで実施した方が効率が良いと考えます。

了解しました。統合テストのテスト仕様に反映して実施することにしましょう。HILSの利用方法で不明点など生じた場合は、五十嵐に確認してください。最優先で対応させます。

五十嵐さん、よろしくお願いします。

HILSは、テストデータを仕掛けておけば自動実行できるので効率的です。ぜひ活用してください。

HILSで利用したテストデータを実行してください。

HILSに投入できるようにします。また、過去の回帰テストデータや不具合事例もありますので実行します。

HILSは、高地試験など実車で行うようなテスト条件も設定可能です。最終的には、実車テストも行いますが、HILSで実施できるものは全て実施しておけば、実車のテスト時間を短縮できてそのコスト削減効果も大きくなります。ぜひよろしくお願いします。

　ソフトウェアチームは、五十嵐さんの支援のもとHILSによる統合テストを実施した。

HILSの利用で統合テストを短期間で実施できました。

制御設計の不具合も検出されて差し戻しがありましたが、短時間で制御設計の修正とソフトウェアの変更ができましたよ。

不具合修正後の再テストも、HILSの場合と同じテストデータをそのまま実行し確認するのでほとんど手間が掛かりませんでした。HILSの効果を実感できましたよ。