「セッション1」では、DMPの取締役でコア技術開発部長を務める大渕栄作氏が、「コンピュータビジョンにおける業界標準化動向とDMPのソリューション」というテーマで、ウェアラブル機器の動向やコンピュータビジョン向けAPIの動向などについて講演した。
大渕氏はコンピュータビジョンの有力な用途の一例として、ウェアラブル機器を取り上げ、初期のメガネ型ディスプレイや最新のスマートグラスなどの事例を紹介した。ウェアラブル機器で必要な技術として、画像データを高速に処理するGPUを挙げた。
さらに、コンピュータビジョン向けAPI(Application Programming Interface)の動向として、Khronosグループが策定しているオープンな業界標準APIである「Open CL」、「Open GL」、「Open VX」、「Web CL」などを紹介した。また、ビジョン処理を行うためのさまざまなハードウェアとその消費電力効率にも触れた。
ビジョン処理向けKhronos APIには、Open VX、Open CL、Open GLなどがある。Open VXは、低消費電力でビジョン処理を高速実行するのに適したAPIで、多様なハードウェアへの移植性に優れているという。Open CLは、ポータブルヘテロジニアスコンピューティング向けAPIでビジョン処理に適している。1つのコードツリーをCPUやDSP、GPU、専用プロセッサなどさまざまなハードウェア上で実行することができるという。
最後に、DMPが提供しているウェアラブル/IoT関連機器向けグラフィックスIPコア「ant」について、その特長などを紹介した。antシリーズには「ant100」、「ant200」、「ant300」の3タイプを用意している。ディスプレイ付きIoTや車載機器/産業機器の2Dグラフィック描画処理にはant100やant200、Android搭載ウェアラブル機器などの3Dグラフィック処理などにはant300が適しているという。
同社はant以外にも、CogniVueが開発した高性能な画像認識プロセッサIP「APEXシリーズ」なども扱っており、Khronosグループが策定しているオープンな業界標準APIの最新情報も含めて、さまざまなビジュアルコンピューティングに対応するソリューションを提供している。
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