いるいる! うちの会社にも「QCオタク」が。何がなんでもQC。おかずがなくても、QCを振りかければうまいメシが食えるとさ。
あぁ、あの人ね。「QC、QC」っていうから、何が「苦しい」のかと思っていたわ。
2人とも、ちょいと言葉を慎みやがれ!! あん? QCは生産の基本形だぁ! だが、やはりQC矢印は使用禁止にした方がいいかもしれねぇなぁ。その理由はだなぁ……。
その前に、もう少しだけQCについて解説しなくてはなりません。
QC手法が全盛期の時代、前述のボトム層、つまり、一般社員の士気を高めるために、職場単位のサークル活動として「QCサークル」が発足しました。その目的は、作業改善一筋。さらなる活性化の手段として、「サークル発表会」の企業大会、県大会、全国大会へと発展していきました。これらのプレゼンに使用されたのが、文章や接続詞を排除したQC矢印だったのです。もちろん、これは日本独特の矢印です。
始めは簡潔で評判でしたが、各種の方言が出現してくると、いわゆる「理解できない方言」へと変化していったのです。それが、国内から海外へ派生して、今では、「外国人技術者が悩む“日本人が多用するQC矢印”」と、筆者のコンサルタント仲間の間では言われています。
それでは、外国人がどのように悩んでいるか、以下の例題で少し経験してみましょう。
その理由は、これだぁ! 図2を見てみろ! STEP-1にある(1)(2)(3)と、同じくSTEP-2にある(4)(5)(6)に接続詞を入れてみやがれぇ。
(まるで小学生の問題じゃないか!)それでは、解答しますよ。STEP-1の(1)は「だから」、(2)は「しかし」、(3)は「しかも」の接続詞が入ります。
STEP-2の方は……。えーと、えーと……。
どうした、エリカちゃん! オメェさんが悩むなんて、めずらしいじゃねぇかい?
だって、矢印が右から左を指しているんですもん。頭が混乱しちゃって……。えーとっ、(4)が「しかし」、(5)が「しかも」、(6)が「だから」でいいですよね?
読者の皆さんは、すぐに答えが分かりましたか? これらは筆者のセミナーで定番の質問事項ですが、ほぼ100%の受講生がエリカちゃんのように戸惑います。
実は、図2のSTEP-1とSTEP-2は同じ文章と同じ接続詞が入ります。左右を入れ替え、ちょっと上下の順番を入れ替えただけなのです。
これが、外国人技術者が悩む“日本人が多用するQC矢印”の代表例の1つです。
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