「ランエボX」は販売を継続、DCT搭載車のみ2015年3月末に生産終了さらばツインクラッチSST

三菱自動車は、スポーツセダン「ランサーエボリューションX(ランエボX)」をマイナーチェンジする。デュアルクラッチトランスミッション(DCT)である6速ツインクラッチSST搭載モデルについては、2015年3月末に生産を終了する計画だ。

» 2014年07月10日 19時00分 公開
[朴尚洙,MONOist]
6速ツインクラッチSSTの外観

 三菱自動車は2014年7月10日、スポーツセダン「ランサーエボリューションX(ランエボX)」と「ギャラン フォルティス」、5ドアハッチバック「ギャラン フォルティス スポーツバック」をマイナーチェンジすると発表した。ランエボXの5速MT(手動変速機)搭載モデルとギャラン フォルティス/ギャラン フォルティス スポーツバックの6速スポーツモードCVT(無段変速機)搭載モデルは同日に発売する。

 一方、ランエボXの6速ツインクラッチSST(Sport Shift Transmission)搭載モデルと、同じく6速ツインクラッチSSTを搭載するギャラン フォルティス/ギャラン フォルティス スポーツバックの「RALLYARTグレード」は同年8月1日から販売する。これらの6速ツインクラッチSST搭載モデルは2015年3月末に生産を終了する予定。生産終了までの6速ツインクラッチSST搭載モデルの販売目標台数は合計で1000台。

マイナーチェンジした「ランエボX」(左)と「ギャラン フォルティス スポーツバック」の「RALLYARTグレード」」の外観(クリックで拡大) 出典:三菱自動車

 今回のマイナーチェンジは、ウインカー付きドアミラーの採用や加飾パーツの追加、ボディカラーのうち青色を落ち着きのある「コズミックブルーマイカ」から鮮やかな「ライトニングブルーマイカ」に変更したことなど限定的なものにとどまっている。ただし、2015年3月末に生産を終了するランエボXの6速ツインクラッチSST搭載モデルについては、「Twin Clutch SST FINAL」と打刻したアクセントスカッフプレートとシリアルナンバー入りプレート(シフトパネルに装着)を贈呈するという。

「ランエボX」の6速ツインクラッチSST搭載モデルを購入時に贈呈されるアクセントスカッフプレート(左)とシフトパネルに装着されるシリアルナンバー入りプレート 「ランエボX」の6速ツインクラッチSST搭載モデルを購入時に贈呈されるアクセントスカッフプレート(左)とシフトパネルに装着されるシリアルナンバー入りプレート(クリックで拡大) 出典:三菱自動車

ツインクラッチSSTで燃費と走行性能を向上

 ランエボXは2014年3月末に、今後は全面改良は行わず、現行モデル限りで生産を終了すると報じられていた。しかし今回の一部改良では、6速ツインクラッチSST搭載モデルが2015年3月末で生産を終了することになったが、5速MT搭載モデルは販売を継続することになった。ランエボXの6速ツインクラッチSST搭載モデルとともに、ギャラン フォルティス/ギャラン フォルティス スポーツバックの「RALLYARTグレード」も生産を終了する。

 これによって、三菱自動車のラインアップから6速ツインクラッチSST搭載車が姿を消すことになる。

 6速ツインクラッチSSTは、奇数段用と偶数段用の2つの3速MTを、湿式のデュアルクラッチを使って切り替えることで変速制御を行うデュアルクラッチトランスミッション(DCT)である。高い伝達効率による燃費向上や、素早い変速によって得られる高い走行性能などが特徴だ。

6速ツインクラッチSSTの外観(左)と構造(クリックで拡大) 出典:三菱自動車

 ランエボXが発売された2007年は、日産自動車のスーパーカー「GT-R」にもDCTが搭載されるなど、それまで欧州の自動車メーカー中心だったDCTの採用が日本でも広がる機運が高まっていた。結局その後、日本の自動車メーカーによるDCTの採用は進まなかったが、ホンダが2013年9月に発売した「フィット ハイブリッド」の1モーターハイブリッドシステム「i-DCD」にDCTが採用されることになった(関連記事:ホンダの新ハイブリッドシステム「i-DCD」、欧州と日本の技術融合により実現)。

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