DMM.comは、同社の運営するモノづくり支援サイト「DMM.make」が提供する3Dプリントサービスと、アドビシステムズの画像編集ソフト「Adobe Photoshop CC」の連携を発表した。Photoshop CC上から直接DMM.makeに3Dプリントの注文を行うことが可能になった。
DMM.com(以下、DMM)は2014年6月26日、同社の運営するモノづくり支援サイト「DMM.make」が提供する3Dプリントサービスと、アドビシステムズの画像編集ソフト「Adobe Photoshop CC」の連携を発表した。これにより、Photoshop CC上から直接DMM.makeに3Dプリントの注文を行うことが可能になった。
Photoshop CCは、2014年1月からこうした3Dプリントサービスとの連携機能を搭載していたが、今までは米国の3Dプリントサービス「Shapeways」のみが対象だった。日本国内の3Dプリントサービスに対応するのはこれが初となる。
ユーザーは、DMMが開発したPhotoshop CC用のプロファイルをインストールすることで、Photoshop CCで作成した3Dデータの出力先として「DMM」が選択可能になる。その際、石膏(せっこう)、アクリル樹脂、ナイロンなどの素材や色を選択した後、実際に出力される造形物のプレビューを閲覧することができる。なお、この機能は最新版の「Photoshop CC 2014」だけでなく、従来バージョンのPhotoshop CCや体験版でも利用可能だ。
今回の連携に関し、アドビシステムズ デジタルイメージング製品担当の栃谷宗央氏は「今年の1月、米国向けにPhotoshop CCを3Dプリントに対応させたところ、非常に大きな反響があった。これは国内でも早急に対応しなければと感じていたときに、DMMさんからお声掛けいただいた。3Dプリントの品質、サービス内容、価格といった面を考慮した結果、最適なパートナーだと判断した」と語った。
DMMは今回の提携を踏まえ、「2D→3D」をテーマにPhotoshop CCで3Dデータを作成する解説動画を公開した。Photoshop CCを利用しているユーザーや、これまで3Dデータを扱ったことがない人にも3Dデータの編集やプリントの面白さを訴求する狙いがあるという。DMM 3D事業部の岡本康広氏は「3Dデータの作成はまだまだハードルが高い。イラストや写真に関わるクリエイターにとって一般的なツールであるPhotoshopと連携することで、3Dの楽しさに親しんでもらえる人が増えるのでは」と今後のユーザーの拡大に期待を寄せた。なお、今回の連携を記念し、Photoshop CCで作成した3Dデータを対象にしたコンテストも開催される。
DMMは3Dプリントサービスの他、ユーザーが作成した3Dデータや商品を販売できる「クリエイターズマーケット」も運営しており、現在1800点ほどが出品されている。同社は今後、こうした事業を含む3D事業全体をさらに拡大していく方針だ。
また、同社は新たなモノづくりの拠点として、工作機械を使うことができるガレージ、その場で3Dプリントを注文できる3Dプリントセンター、シェアオフィスなどを併設した施設を東京、秋葉原に設立する予定だという。
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