ホンダのメキシコの新四輪車工場(グアナファト州セラヤ市)が稼働を開始した。メキシコを含む北米仕様の新型「フィット」を生産し、2014年後半には「ヴェゼル」に相当するフィットベースの小型SUVの生産も開始する予定である。フル稼働時の年間生産能力は20万台。
ホンダのメキシコ現地法人であるHonda de Mexicoは2014年2月21日(メキシコ時間)、新四輪車工場(グアナファト州セラヤ市)が稼働を開始したと発表した。今後さらなる需要の拡大が見込まれる小型車の生産に特化しており、メキシコを含む北米仕様の新型「フィット」を生産し、2014年後半には「ヴェゼル」に相当するフィットベースの小型SUVの生産も開始する予定である。この他、グローバルの生産拠点の1つとして、その他の地域への供給も検討している。フル稼働時の年間生産能力は20万台。これにより、北米におけるホンダの四輪車の年間生産能力は192万台に拡大する。
新四輪車工場への投資額は約8億米ドル(約816億円)で、従業員数はフル稼働時で約3200人を予定している。同じ敷地内に建設中の新トランスミッション工場が2015年後半に稼働を開始する予定で、メキシコ国内を含む北米地域での現地調達率を最大化し、さらなる高効率生産体制を確立する計画だ。これにより新四輪車工場は、ホンダとして海外初のエンジン、トランスミッション、完成車組み立ての一貫生産工場になる。新四輪車工場と新トランスミッション工場を合わせた総投資額は約12.7億米ドル(約1295億円)で、従業員数は新トランスミッション工場がフル稼働となる2016年10月時点で約4700人を見込む。
新四輪車工場は、ショートプロセス高機能塗装技術(関連記事:ホンダが塗装ラインを40%短縮、新型「フィット」生産予定の寄居工場に導入)など、国内向けのフィットを生産する埼玉製作所寄居工場(埼玉県寄居町)の最新生産技術を導入している。また、人の手によるモノづくりの技術を最大限に生かした「『先進技術を用いた自動化』と『人の技術・技能』の融合による高い生産効率の実現」を図っているという。
ホンダが2012年9月に発表した事業計画では、2016年度に年間600万台以上の四輪車を販売することが目標になっている(関連記事:ホンダが2016年度までの事業計画を発表、四輪600万台を含めて3900万台体制へ)。その主力車種となるのが、フィットやフィットベースの小型SUV、東南アジアやインドなどで展開している「シティ」といった小型車である。寄居工場で確立した小型車生産の技術をメキシコの新四輪車工場などにグローバル展開することは、小型車の販売台数増に向けた重要な布石となっている(関連記事:新型「フィット」を作り出す最先端技術の数々――ホンダが寄居工場を公開)。
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