セイコーインスツル(SII)は、自動車技術の展示会「オートモーティブワールド2014」において、開発中の超小型MEMS加速度スイッチを使った衝撃検知のデモンストレーションを披露した。加速度センサーと違って常時通電する必要がなく、消費電力がゼロで済むことを特徴としている。
セイコーインスツル(SII)は、自動車技術の展示会「オートモーティブワールド2014」(2014年1月15〜17日、東京ビッグサイト)において、開発中の超小型MEMS加速度スイッチを使った衝撃検知のデモンストレーションを披露した。
この超小型MEMS加速度スイッチは、中央電極と錘(おもり)、梁(はり)をシリコン基板上に形成したものだ。円形の中央電極と錘の間にすき間があり、錘は取り囲むように形成された梁によってシリコン基板とつながっている。加速度が加わると、錘が慣性力の影響で中央電極に接触し、その際にスイッチがオンになるという仕組みだ。加速度の感度は0.5〜20Gまでラインアップしている。ウエハーレベルパッケージを採用しており、外形寸法は1.8×1.8×0.8mmである。
デモンストレーションでは、車載カメラを搭載するラジコンカーを使って、壁に衝突した際に超小型MEMS加速度スイッチが衝突を検知できている様子をみせていた。
同社の説明員によれば、「加速度センサーの場合、衝撃を検知するにはずっと通電しておく必要がある。超小型MEMS加速度スイッチを使えば、一定のしきい値を超えた場合に動作させるタイプのアプリケーションであれば消費電力がゼロになるというメリットがある。チップ面積は従来のMEMS加速度センサーと同じ程度だが、価格は同等以下にできるだろう。2015年度末までの製品化を目指して開発を進めている」という。
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