NTNは、新型「スカイライン」のステアバイワイヤシステム「ダイレクトアダプティブステアリング」向けに、「自動車次世代ステアリング用MCU(Mechanical Crutch Unit)」が採用されたと発表した。
NTNは2013年11月26日、日産自動車の新型「スカイライン」に搭載された次世代ステアリング技術「ダイレクトアダプティブステアリング」向けに、「自動車次世代ステアリング用MCU(Mechanical Crutch Unit)」が採用されたと発表した。
ダイレクトアダプティブステアリングは、ステアリングの動きを電気信号によって前輪の車軸に伝達するステアリング(ステア)バイワイヤ(Steering by Wire)を世界で初めて採用したことで知られる(関連記事:新型「スカイライン」が示唆する日産の自動運転技術の実現性)。
ステアバイワイヤでは、ステアリングと前輪の車軸が機械的に接続されていないため、電気信号の伝達に何らかの不具合が発生した場合に、全くステアリング操作を行えなくなってしまう。ダイレクトアダプティブステアリングでは、万が一の際には、通常はステアリングホイールとステアリングシャフトを切り離しているクラッチを切り替えて機械的な接続を確保し、最低限のステアリング操作を行える。このバックアップ用のクラッチとして採用されたのが、NTNの自動車次世代ステアリング用MCUである。
自動車次世代ステアリング用MCUは、電磁クラッチとローラクラッチを組み合わせたコンパクトな構成となっている。外形寸法も直径85×長さ190mmと小さい。ダイレクトアダプティブステアリングのステアバイワイヤに不具合のない状態では、電磁クラッチに電流を流すことでローラクラッチを解放し、ステアリングホイールとステアリングシャフトを切り離している。不具合を検出した場合には、電磁クラッチへの通電を遮断してローラクラッチがステアリングホイールとステアリングシャフトを瞬時に締結するので、機械的な接続によるステアリング操作が行えるようになる。締結の際の作動時間は0.1秒以下と応答性にも優れている。負荷容量は80Nmである。
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