安川電機は、2台のロボットでシャープペンシルの芯の両端をつかみ、それを高速回転させても芯を折らないように8軸を同期制御するデモ展示をSCF2013で行った。また、GaN(窒化ガリウム)デバイスを搭載し、約98.2%の変換効率を達成した太陽光発電用パワーコンディショナも参考展示した。
安川電機は、「システム コントロール フェア(SCF) 2013」(2013年11月6日〜8日、東京ビッグサイト)で、2台のロボットでシャープペンシルの芯の両端をつかみ、それを高速回転させても芯を折らないように8軸を同期制御するデモ展示を行った。また、GaN(窒化ガリウム)デバイスを搭載し、約98.2%の変換効率を達成した太陽光発電用パワーコンディショナも参考展示した。
シャープペンシルの芯回しデモシステムは、同社のロボット事業部とモーションコントロール事業部、インバータ事業部が協力して開発した。マシンコントローラ「MP3200」やロボットコントローラ「FS100」、ハンドリングロボット「MOTOMAN-MH5」、ACサーボドライブ「Σ-7シリーズ」および電源回生コンバータ「D1000」などで構成されている。システムを同期させて8軸制御を行うことで、生産ライン上で高速動作する複数の製造システムの協調動作を可能とする。
今回利用したデモシステムや各装置はさまざまな特長を備えている。その1つとして、Σ-7サーボモータの小型/高精度化を挙げた。「従来品の約80%に小型化し、エンコーダの分解能も従来の20ビットから新製品は24ビットへと精度を向上した」(説明員)と話す。また、システム内にはエネルギを電源に戻すための電源回生コンバータ「D1000」やキャパシタ電池などが組み込まれており、「急に停電などが発生してもロボットアームなどを安全な位置に戻してからシステムを停止する機能も組み込まれている」(説明員)という。
また、GaNデバイスを搭載した太陽光発電用パワーコンディショナも参考出展した。この製品は一般住宅に向けたもので出力は200V級、単相4.5kWである。「2014年春の商品化を目指している」(説明員)と話す。従来のパワーコンディショナには、電力変換を行うパワー素子にIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いていた。今回はTransphormと共同開発したGaNデバイスを搭載した。これにより、パワーコンディショナの変換効率は約98.2%となり、IGBTを用いた従来製品に比べて2.2ポイント改善できたという。変換効率が向上したことで冷却用部品なども小型化でき、「パワーコンディショナの形状は従来製品に比べて、体積で約半分、設置面積で約2/3に小型化できる」(説明員)と語った。
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