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» 2013年08月21日 09時30分 公開

10〜20年先のキャリアを思い描いていますか? 年収が高い=必ずしもハッピーとは限らない製造業エンジニア、転職活動の心得(2/2 ページ)

[MONOist]
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年収1200万円よりも大切なこと

 ここで、あるシニアエンジニアの転職事例についてお話しします。

 橋木さん(仮名、45歳)は、日本を代表する総合電機メーカーの出身でした。情報機器の研究開発プロジェクトを経験し、ある家電製品の海外プロジェクトを取りまとめました。その後、30代で実績を見込まれ、携帯電話の新規開発プロジェクトマネージャとなりました。

 誰もが憧れるキャリアパスを歩んだ橋木さんでしたが、私が会ったときには、既に総合電機メーカーを退職しており、あるシステムインテグレータ(SIer)で働いていました。カウンセリングのブースで聞いた橋木さんのプロジェクトマネージャ後の人生は、決して輝かしいものではありませんでした。多くの若い組み込みエンジニアがプロジェクトマネージャを目指す一方で、実際にプロジェクトマネージャになった「その後」に、別の問題があったのです。

 橋木さんはプロジェクトマネージャとして成功した数年後、40歳でQAスペシャリストとして、全社横断プロジェクトを任されました。業務の権限とプロジェクトの規模は大きくなりましたが、開発畑を歩んできた橋木さんにとっては、「やりがい」が感じられなかったのかもしれません。

 大きなきっかけがあったわけではありませんが、総合電機メーカーの肩書と年収1200万円の待遇を捨て、退職を決意しました。

「ゴール」を見据えた転職活動を

 充電期間の後、橋木さんは前述のSIerに入社しましたが、やはり満足できる仕事をすることができませんでした。そこでキャリアカウンセリングを受け、総合電機メーカーを退職した理由を振り返ることにしたのです。

 漠然としたその理由の根元にあるものは何だったのでしょうか。プロジェクトマネージャから、ある意味で「キャリアアップ」し、開発の現場から離れてしまったことで、「やりがい」が感じられなくなったことが大きな理由でした。もともとメーカーでモノづくりに携わっていた橋木さんは、やはり「モノづくりがしたい」という自分の気持ちに気付いたのです。

 そこで、あるメーカーの情報機器開発の組み込みプロジェクトマネージャ職を紹介しました。中小企業ではありますが、開発の全体を指揮する重要なポジションです。橋木さんも乗り気となり、応募した後は話がトントン拍子に進みました。

 結果、そのメーカーで現在の年収から200万円アップのオファーを得ることができました。入社後も、彼にとって何よりも重要な「やりがい」を見いだすことができたようです。

 今回の事例は、最終的にはハッピーな転職となりました。しかし、この事例からはプロジェクトマネージャになった後まで含めた、長期のキャリアパスという課題が見えてきます。10年後、20年後までのキャリアを思い描くことができずに、悩んでいる20代、30代の人は多いのではないでしょうか。

 3年後、5年後にプロジェクトマネージャを目指すのも1つのキャリアパスです。しかし、ある期間だけをハッピーに過ごすためだけのキャリアパスや転職を考えるのではなく、最終的な「ゴール」を見据えた転職活動を行うことがベストだと思います。職業人生のスタートからゴールまでを見てきた、キャリアアドバイザーに相談するのもよいかもしれません。

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