TECHNO-FRONTIER 2013|第31回 モータ技術展では、東芝、日立産機システム、三菱電機、富士電機、三協(TECO JAPAN)といった、モーターメーカー各社がトップランナー基準に対応するプレミアム効率モーターを多数展示。これら産業用モーターは、効率はもちろん、取り付け寸法や外形は置き換え需要をにらんで大きく変更することは難しいため、各社とも際だった特徴を出しにくく、細かな対応の違いで差別化しようとしていた。
これら産業用モーターは、置き換え需要もあり、効率はもちろんのこと、取り付け寸法や外形などを大きく変更することは難しい。そのため、各社とも際だった特徴を打ち出しにくく、“細かな対応の違い”で差別化していた。
各社の説明員への取材を総合すると、国内メーカーは従来、高効率(IE2)/プレミアム効率(IE3)モーターをほとんど生産していなかったが、2013年1月の規制開始年度決定の発表を受けて、生産・販売を開始している(メーカーごと、製品ごとに製品投入時期には差がある)。価格については、メーカーごとの販売形態や製品ごとのばらつきが大きく、各社ともはっきりとは示さないが、取材した範囲では標準効率品と比べて3〜6割ほど高価になるとしている。エンドユーザーから見た場合、用途や運用にもよるが、「この価格差は、1年から数年で、電力コスト低減により回収できるだろう」(説明員)と話していた。
また、あるメーカーの説明員は、このトップランナー基準の適用について、「モーターを組み込む機器メーカー側は、製品コストに直接跳ね返るため、非常にシビアに受け止めている。その一方で、エンドユーザー側は規制開始の件をあまり把握しておらず、展示ブースに来て初めて知ったというユーザーもかなり多かった」と語っていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.