スマホによって、いつでもあらゆる情報を引き出せるようになり、かつSNSを利用すれば常に友人ともつながっていられます。ふと気になった程度のことでも検索して調べられますし、画面も見やすいことから、生活のちょっとした場面でも検索して口コミなどを収集する人は増えたのではないでしょうか。
私もご多分に漏れず、欲しいものを買う前に必ずスマホで調べるようになりました。その結果、2回に1回は購入を控えてしまっています。というのも、ネガティブな情報を見掛けるとどうしても買う気が失せてしまいますし、それ以上に、機能やスペック、購入後のユーザーレビューなどを見ていると、買って使ってみた気分になってしまって「もういいか」と思えてしまうのです。そんな自分の状況を考えると、「いつでもあらゆる情報を引き出せる」ことが本当に必要なのかとも思えてしまいます。
私はマーケティングの専門家ではありませんから、スマホが消費者の購買行動に与える影響や、開発中のウェアラブルな最新情報端末が生み出す新しい世界について予見することはできません。善かれあしかれ、スマホの“次”の情報端末によってどのような変化が起きるかは分かりませんが、海外メーカーがスマホの“次”に目を向けて動き出していることは間違いありません。日本メーカーは過去に、技術開発主導でフィーチャーフォンの開発に傾注した結果、フィーチャーフォンの次にやってきたスマホへの対応が遅れて時代の変化に取り残され、大きな市場を失いました。そのようなことが再度繰り返されないといいなと願っています。
企業と比べれば、エンジニアははるかに身動きが取りやすいです。情報通信系のハードのエンジニアの皆さんは、くれぐれも現在の保有技術に固執することなく、「“次”の情報端末が登場したら、どのような技術が求められることになるのか」と模索してみてください。幅広い視点でユーザーの動向やアプリケーションの方向性をウオッチしながら、市場から求められる製品とは何かと常に考えることです。そうした「“次”の技術は何か」と考えようとする姿勢こそが、皆さんのスキルアップやキャリアアップをもたらす原動力になるのだと思います。
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