中小製造業による中小製造業のためのイベント、全日本製造業コマ大戦が日本橋三越劇場で開催された。「全日本製造業コマ大戦協会」の発足も発表された。公式Webサイトにある「コマ図鑑」も見応えあり!
2013年4月19〜21日、日本橋三越劇場で開催された全日本製造業コマ大戦(以下、コマ大戦)のエキシビジョン大会「G3 日本橋三越場所」で、「全日本製造業コマ大戦協会」の発足が発表された。
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本協会の会長を務めるミナロの緑川賢司氏による発足宣言は、下の動画で視聴できる。
緑川氏は、コマ大戦開催の目的として下記を掲げている。
日本製造業を活性させるため、さまざまな角度から刺激を与える。
2012年2月にパシフィコ横浜の「テクニカルショウヨコハマ 2012」内の心技隊(異業種団体)ブースで開催された第1回大会には、新聞や雑誌でよく取り上げられてきた中小製造業が一斉に集まったこともあり、製造業関連のメディアが取材のために押し寄せた。その当時から、中小製造業関連のイベントとしては、かなり勢いがあるとして話題になっていた。
開催規模が大きくなってきたことで、運営の継続は課題となっていた。これまでの運営は心技隊を中心とする中小製造業有志たちにより行われてきた。当日の実況、解説、審判、ストリーム配信、メディア対応まで、その運営のほぼ全てを中小製造業に勤める人々が担っているのが、このイベントの独自性。協会発足の目的には、大会運営の協力者を増やしていき、有志スタッフたちの負荷を分散する狙いもあった。
今回の大会はネットラジオ局のブルーレディオドットコムが共催。同局では「やるなぁ!町工場」と題する番組を2013年4月23日より、毎週火曜20時に放送する。2013年4月16日には、放送開始直前の特別企画ということで、番組や日本橋三越場所の事前情報について放送した。こちらも同局のバックナンバーから確認できる。
日本橋三越場所の優勝者は、「両毛野郎!!Aチーム」。このチームのメンバーである群馬県内の中小製造業グループ「両毛ものづくりネットワーク」は第1回大会からの常連だ。ちなみに「Bチーム」も存在する。
同チームが持ち込んだのは、回したときに取っ手が短くなるというギミックコマだった。今回、コマの製作には同社のライバルであり友でもあるスワニーが協力している。
参加チームは以下の16チームだった。
2013年2月7日 、「コマ大戦 G1 全国大会2013 本戦」が開催された。昨年と同様にパシフィコ横浜の「テクニカルショウ ヨコハマ」内の心技隊ブースで実施。1年前の大会と比べると、ブースサイズは大幅に拡大し、特設ステージまで完備しグレードアップしている。本戦前には、同ブース内で敗者復活戦も開催した。
モールドテックの落合孝明氏が務める「行司」(審判)もグレードアップした。
優勝したのは、岐阜県の「チームシオン」(有限会社シオン)。2012年11月10日に開催された「コマ大戦G2名古屋場所」で準優勝した企業だ。軸周辺に穴を開けて軽量化し、胴体部に人肌ゲルを付けたコマだった。
本戦出場チームは、下記の通りだった。
こちらの様子も、YouTubeのアーカイブから閲覧することが可能だ。
今後のコマ大戦の開催予定は、下記の通り。詳しくは、コマ大戦の公式Webサイトから確認できる。開催場所は今後も増える可能性があり、こちらの情報も随時アップされる予定だ。
コマ大戦の公式Webサイト運営も有志たちにより行われている。Webサイトの制作や運営をメインで担当しているのは日本コンピュータ開発。本業はIT系の同社だが、町工場とコラボしてコマ大戦に参加し続けている。
Webサイトには大会ルール、過去大会の戦績などがまとめられている。なお、ほとんどの過去大会の様子がYouTubeやUstreamのアーカイブで視聴することができる(一部、予選などは視聴できないものもある)。
なお、2012〜2013年にかけて既に実施された大会に登場したコマも、Webサイト上に「コマ図鑑」としてまとめられている。なかなか壮観だ。コマの材質や設計コンセプトなど技術的な情報もまとめられている。
大会に出場したことがきっかけで、自社製品としてコマを販売する企業も続々と増えていることにも注目したい。
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