ルネサス エレクトロニクスは、2012年度(2013年3月期)の連結業績予想を下方修正すると発表した。前回予想までは、2012年度上期の営業赤字をばん回して、黒字反転させる計画だったが、結局営業赤字は拡大することになった。
ルネサス エレクトロニクスは2013年2月8日、2012年度(2013年3月期)の連結業績予想を下方修正すると発表した。
半導体製品の売上高を示す半導体売上高は、前回予想(関連記事1)比490億円減の7110億円となった。利益面では、営業損益が同470億円悪化して260億円の損失、経常損益が同440億円減の340億円の損失となった。前回予想までは、2012年度上期に計上した営業損益と経常損益の赤字をばん回して、ともに黒字化する計画だったが、結局赤字幅が拡大することになった。当期純損益は、同260億円悪化して1760億円の損失となっている。
下方修正の理由としては、一定の市況回復を見込んでいた自動車向けと産業機器向け半導体や、大型商談案件の堅調な売り上げを見込んでいた民生用電子機器向け半導体が、長引く世界的な景気停滞による顧客企業の生産減に伴って需要が減少したことや、中国向け自動車・電子機器などの生産減による半導体需要への影響のさらなる顕在化を挙げている。
堅調な売り上げを見込んでいた大型商談案件とは、任天堂の最新ゲーム機「Wii U」向け製品のことだ(関連記事2)。任天堂は2013年1月31日、Wii Uの2013年3月末までの販売台数見通しを、当初の550万台から400万台に引き下げている。このことが、ルネサスの業績予想にも影響を与えたとみられる。
なお今回修正した業績予想に用いた為替レートは、2012年度の下期が1米ドル83円、1ユーロ109円となっており、円安進行による為替差益は入れ込んでいないようだ。
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