国内で必要な電力の150%を太陽電池でまかなう国トケラウ。しかし、トケラウには空港も港もない。最寄りの工業国ニュージーランドは3000kmも離れている。これでどうやって太陽電池を設置したのか。建設の様子を写真で紹介する。
前回紹介した太陽光150%の「国」が実現、南太平洋からの続報を送る。
前回は「トケラウ」と呼ばれる南太平洋の島国に容量1MWの太陽光発電システム(メガソーラー)を設置した理由を紹介した。結論は以下の通り。
欧州や日本などは建築技術に優れ、輸送機関も発達している。このため、太陽光発電システムの建造や輸送自体に技術的な課題が少ない。それよりも、いかに部材の仕様を共通化し、人材を教育し、素早く低コストで取り付けられるかが勝負になっている。先進国においては太陽光発電システムの設置コストに占める太陽電池本体の比率は半分以下に下がっており、設置にかかわるそれ以外の費用が重要なのだ。
一方、トケラウは工業国ではない。空港はもちろん、きちんとした港湾設備もない。国内の輸送機関も未発達だ。これでどうやって設置するのか。材料は全て3000km以上離れたニュージーランドから運ばなくてはならないというのに。
設置を担当した企業、ニュージーランドPowerSmart Solarから建設の様子を撮影した写真を入手したので紹介しよう。
トケラウには川はない。化石燃料も産出しない。サンゴ礁の砂でできた島国(環礁)だからだ。そのため、太陽光以前はディーゼルエンジン用燃料を全量ニュージーランドから運んでいた(図2、図3、図4)。
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