第2段階から一歩進み、数量ベースで需給を統合させた計画をたてるだけではなく、売上など「金額ベースではどうなるのか」という点に着目しているのが、図1のレベル2です。に、製品の単価などを考慮することで、いつ、どの程度の売上が見込めるか、事業としての成功度合いが粗くではあれ、把握できます。
この段階でも、需給計画を統括する部門の担当者が表計算ソフトを使用して手作業で行ったり、場合によっては専用ソフトウェアを活用するケースもあります。
最近のSCM計画系ツールはおおよそこの段階まで実現可能なものが多く、大手では比較的よく活用されているようです。
では、最も先進的とされる、レベル3の「ビジネスS&OP」について考えていきます。「オペレーショナルS&OP」との違いは、図2にあるように、事業戦略および財務戦略と連携していることです。現場レベルの調整ではなく、あくまで経営層による「意思決定」のためのプロセスであることが大きなポイントです。
意思決定のための情報を経営層に提供するために、どの企業でも、表計算ソフトやBI(Business Intelligence)ツールをはじめとした、多くのツールが使われています。「ビジネスS&OP」では、「オペレーショナルS&OP」で立案した金額ベースの需給の統合計画と、財務データを突き合わせる必要がありますが、実際にはこの作業だけでも大変な労力を必要とします。必要なのは結果の情報ですから、情報を導く部分の作業はできるだけツールをうまく使って、プロセスを速やかに実行できるようにすべきでしょう。
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