ホンダの、新型軽自動車「Nシリーズ」の第2弾「N BOX +」は、座席の折りたたみや3枚のボードの活用で車室内の構成を5つのモードに切り替えられる「マルチスペースシステム」を採用した。
ホンダは、新設計のプラットフォームを採用した軽自動車「Nシリーズ」の第2弾「N BOX +」を2012年7月6日に発売する。Nシリーズの第1弾「N BOX」よりも荷室容積を拡大するとともに、座席の折りたたみや3枚のボードの活用で車室内の構成を5つのモードに切り替えられる「マルチスペースシステム」を採用した。税込み価格は135万〜187万円。月間販売目標台数は3000台である。
N BOX +のサイズは、全長3395×全幅1475×全高1780mm(FF社の場合)。全長と全幅はN BOXと同じだが、荷室ドアとなるテールゲートをN BOXより広くするために全高は10mm高くなっている。テールゲートの開口部の広さをN BOXと比べると、高さ方向が150mm増えて1350mmに拡大した。テールゲート最低部の地上からの高さも、N BOXより150mm低い330mmになっている。荷室の奥行きを、N BOXよりも215mm長い630mmに広げて、荷室容積を大幅に増やした。そのために後部座席をN BOXよりも前方に配置しているものの、前方座席の背面形状を工夫して、同社の小型車「フィット」と同等のひざ周りスペースを確保した。
N BOX +最大の特徴となるマルチスペースシステムでは、座席の折りたたみと大小二つのマルチボードとエンドボードを使って、車室内の構成を5つのモードに切り替えられる。
1つ目の「下段モード」と2つ目の「上段モード」では、座席は折りたたまず、大きいマルチボードとエンドボードを用いる。大きいマルチボードを荷室の下段に設置する下段モードは、背の高い荷物を搭載できる。大きいマルチボードを荷室の上段に設置する上段モードの場合、上下2段の荷室を構成できるようになる。
3つ目の「フラットモード」と4つ目の「スロープモード」は、後部座席を折りたたむ。フラットモードでは、荷室の下段に大きいマルチボードを設置して、その前方に小さいマルチボードを装着すれば、奥行き1380mmの荷室を実現できる。マルチボードとエンドボードを取り外すスロープモードは、荷室の床がテールゲートに向かって下っていくスロープになる。テールゲート最低部の地上高が330mmと低いこともあり、電動自転車や小排気量の二輪車であれば前輪を少し持ち上げて積載することができる。
スロープモードのときにオプションのアルミスロープを装着すれば、地面から荷室の床まで段差のない「ユニバーサルブリッジ」を実現できる。アルミスロープは荷室内に収納可能な3段スライド式で、スロープ角度は13度、耐荷重は200kgとなっている。夜間にアルミスロープを使う場合には、テールゲートの後端に装備したテールゲートランプで照らすこともできる。
最後の5つ目は、後部座席を折りたたんでから前部座席を後ろに倒して、その後方にフラットモードと同様に大小のマルチボードを設置する「ベッドモード」である。その名の通り、軽自動車の中にベッドスペースを作り出せるのだ。奥行きが1940mm、幅が1070mm、高さが945mmの空間ができるので、大人2人が足を伸ばして眠ることができる。前部座席を、N BOXよりも幅を広げたり、ショルダー部の上面を水平にそろえたり、アームレスト下のすき間をふさいだりして、フラットですき間のないベッドになるようにした。ベッドモード時に最適なオプションとして、車室の後方側面上部に組み込むコンソール付きのリアスピーカや、荷室の右側面に設置するAC100Vのコンセントなどを用意している。
なお、フラットモードやスロープモード、ベッドモードにする際に、座席から取り外すヘッドレストは、荷室側面のヘッドレストホルダーに収納する。
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