モノづくりの中核「BOM」の機能を追求、設計と生産連携の現実解をDMS2012開催直前! ブース出展情報

2012年6月20〜22日に開催される「第23回 設計・製造ソリューション展」。出展社の1つ、図研ブースでは、BOMを中核にしたモノづくり情報基盤の利便性に注目したい。

» 2012年06月18日 11時30分 公開
[原田美穂,@IT MONOist]

 図研 PreSightの中核製品は「BOM Producer」というBOM製品だ。まずは「高速性をうたう他の製品と比較しても早い」というBOMの展開能力に注目したい。

 図研によれば最新版では「構成数約1万点のBOMの正展開がわずか3秒ほどで完了」(同社)するほど、処理性能が向上しているという。実際の動作や処理速度はブースのデモで確認したいところだ。2012年12月にリリースされる次期バージョン6.1では、コンフィグレーション機能やマトリクスシミュレーション機能が追加されるという。

 企画BOMや設計BOM、製造BOM、サービスBOMだけでなく、仕掛かり中のデータも「Design-BOM」として管理できる。仕掛かり中の図面は当然ながら未採番であり、一般的なBOMでは管理できない。同社BOM製品は未採番の図面を管理する仕組みが用意されている。この機能により作業中の図面がBOMに登録されることで、早い段階で情報共有が可能になる。これについては、過去の記事でも紹介している通りだ。この他、日本の製造業での導入実績の多いERP「MCFrame/XA」との連携による原価情報参照機能も実装を進めている。

 また、図研では既にXVL Studio Zという、XVLフォーマットを活用したエレキ・メカを統合したデザインレビュー向け機能を提供している。実際のエレキ基板を筐体(きょうたい)の中に納めた状態で電気的特性を考慮した検証(静電気検証やEMC検証など)を、3次元図面上で行えるものだ(記事参照)。

PreSightのコンセプト PLM、ERPのアプローチでそれぞれ手薄になってしまう領域を改善し、連携させる(出典:図研)

XVLをフル活用して製造部門に情報をつなぐ「visual BOM V3」

 今回最も同社が注力しているのがvisual BOM V3だ。

 設計部門の図面情報を製造部門側に流す際に、XVLフォーマットを活用したビジュアルな品目情報を加えられる。情報は静的なものではなく、例えば設計変更が行われた際には、製造部門側の閲覧情報では差分がハイライトされ、視覚的に変更点を確認できる仕組みになっている。変更の影響範囲も展開可能だ。

 形状検索については、外形形状の特徴から類似部品を抽出できるなどユニークかつ利便性の高い機能を持っている。現在は「ロバート・オサダメソッド」*のアルゴリズムを採用した形状検索機能を実装中だという。この形状検索機能はラティス・テクノロジーと共同で開発したものだ。今後、穴・ボス・リブの特徴を基にした検索機能が実装される予定だという。

*プリンストン大学のRobert Radoslaw Zygmunt Osada氏らが発表した3次元形状の類似性判定アルゴリズム。


 visual BOMについては、過去にも紹介しているが、今回出展が予定されているvisual BOM V3では、さらに利便性が高まる機能強化が進められているようだ。今後追加される機能を含め、詳細はブースで確認してほしい。

設計変更の情報の視覚的共有、影響範囲の展開(出展:図研)

優良なモノづくり企業を、実現可能な投資額でサポートできるのがPreSightの強み

 国内のコンシューマエレクトロニクス市場が縮小しているといわれているが、だからといって国内の設計・生産の全てが海外に出て行ってしまったわけではない。

 「事業規模が大きくはないながらも、優良なモノづくりを行っている中堅・中小の産業機器メーカーなどのニッチトップ企業にとって、巨大なPLMシステムはオーバースペック。自動車や航空機メーカーならいざ知らず、個別受注生産で技術力を売りにしている企業にとっては、逆に制約となりかねない」(図研 PreSight事業部 上野泰生氏)

 こうした市場に目を向け現実的なアプローチでモノづくりシステムの高度化を推進していこうというのがPreSightの提唱するモノづくり環境だ。詳細はブースで確認してほしい。

 なお同社は、展示会場でのプレゼンテーションをインターネット中継で配信する予定だという(詳細は関連リンク参照)。



第23回 設計・製造ソリューション展(DMS2012)

会期 2012年06月20〜6月22日 10:00〜18:00※最終日のみ17:00終了

会場 東京ビッグサイト

図研ブース 東2 15-33



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