シーメンスPLMソフトウェアは、iPadでSolid Edgeの3次元モデルが閲覧できる無償アプリ「Solid Edge Mobile Viewer」を提供開始した。
シーメンスPLMソフトウェアは2012年6月12日(現地時間)、米国テネシー州で開催した同社のユーザー向けイベント「Solid Edge University 2012」で、iPad向け無償アプリケーション(アプリ)「Solid Edge Mobile Viewer」の提供開始を発表した。
同アプリは、App Storeからダウンロードでき、iPadからSolid Edgeで作成した3次元モデルやアセンブリを閲覧できる。ビューの移動・回転、寸法や注釈、部品の表示/非表示がコントロールできる。iPad上で、3次元モデルのキャプチャー画像を作成し、電子メールに添付して送ることも可能だ。
ミーティングや商談、外部企業とのコラボレーションなどでの活用が期待できるという。
「タブレット型端末向けのアプリについては、今後も改良を加えていく。一方、ハードウェア性能や画面サイズに制限のあるiPhone向けアプリは3次元ビューイングに適さないため積極的には考えていない」と、米シーメンスPLMソフトウェアのメインストリーム エンジニアリング担当副社長 ウィリアム・マッククルーア(William H. "Bill" McClure)氏は述べた。
iPad用のアプリとして、過去には「Teamcenter Mobility Free」など、同社のPLM「Teamcenter」関連のものを提供している。
Solid Edgeがクラウド上で動く、あるいはクラウドと連携したシステムの可能性はあるのか、マッククルーア氏に尋ねてみたところ、以下のような回答だった。
「Solid Edgeをクラウド上で動かす必要性はないと私は考える。3次元CADのユーザーは、設計の生産性向上やスピードを強く望む。クラウドでの動作を考慮すると、機能は制限される。それにSolid Edgeは、それほどスペックの高くないノートPCでも快適に動作する。ただし、Solid Edgeのデータをクラウド上でシェアしてコラボレーションするニーズはあるだろう。少し違う視点から言えば、仮想マシンによるシンクライアントシステムでのSolid Edgeの使用は考えられる」(マッククルーア氏)。
Solid Edgeの開発においては、とにかくCADの生産性やスピードの改善に努めていく方針のようだ。Solid Edge ST5では、1300のカスタマーの要望に応え、中でも2次元製図(ドラフティング)に関する改善は700だった。アセンブリ編集の中で部品編集を可能にし、マルチボディモデリングの強化や複雑な形状やサーフェスの編集の改善にも取り組んだ。今後のバージョンでも、2次元製図機能の改善や、より複雑なモデルや編集に素早く対応できるような改善を図っていくということだ。
会期 2012年06月20〜6月22日 10:00〜18:00※最終日のみ17:00終了
会場 東京ビッグサイト
東2ホール(小間番号:14-42)
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