第一期水循環変動観測衛星「しずく(GCOM-W1)」と「韓国多目的実用衛星3号機(KOMPSAT-3)」、小型副衛星2機を載せた「H-IIAロケット21号機(H-IIA・F21)」の打ち上げが成功。しずくに搭載された太陽電池パドルの展開、太陽追尾の開始が確認された。
2012年5月18日1時39分(日本時間)。種子島宇宙センター 大型ロケット発射場 第1射点から「H-IIAロケット21号機(H-IIA・F21)」が打ち上げられた。打ち上げ時の天候は晴れ、西北西の風(4.9m/s)、気温18.7℃。
同ロケットは、第一期水循環変動観測衛星「しずく(GCOM-W1)」と「韓国多目的実用衛星3号機(KOMPSAT-3)」を搭載する他、小型副衛星として宇宙航空研究開発機構(JAXA)の50Kg級衛星「小型実証衛星4型(SDS-4)」、九州工業大学の高電圧技術実証衛星「鳳龍弐号」も相乗りする。打ち上げ後、同ロケットは太平洋上を飛行し、固体ロケットブースタ(SRB-A)、上部衛星フェアリング、第1段・第2段ロケットを順次分離。第2段エンジンの燃焼停止後にKOMPSAT-3が、下部衛星フェアリングの分離後にしずくがそれぞれ切り離され、その後、SDS-4および鳳龍弐号が順次分離される計画である。
5時10分の三菱重工業(MHI)とJAXAの発表によると、打ち上げられたロケットは正常に飛行し、約16分3秒後にKOMPSAT-3を、約22分59秒にしずくを分離。SDS-4と鳳龍弐号についても、衛星からの信号により計画通りロケットから分離されたことが確認できたという。
続く、6時30分発表の情報(詳細はこちら[PDF])によると、しずくに搭載された太陽電池パドルがオーストラリア上空付近で展開されたことを、オーストラリアのパース局で受信したテレメトリデータ(衛星の監視に用いるデータ)により確認。さらに、太陽電池パドルの太陽追尾の開始をノルウェーのスバルバード局で受信したテレメトリデータにより確認できたという。
今後、しずくは地表や海面、大気などから自然に放射されるマイクロ波を観測するセンサー「高性能マイクロ波放射計2(AMSR2)アンテナ」の展開などを行う予定だ。
同日14時発表の情報(詳細はこちら[PDF])によると、勝浦局にて受信したテレメトリデータにより、AMSR2アンテナが無事に展開したことを確認できたという。
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