ザイリンクスとケイデンス、Zynq向け仮想プラットフォームを開発ソフトウェア主導のアプローチ

ザイリンクスとケイデンス・デザイン・システムズは、拡張性を備えたZynq-7000 EPP向けバーチャルプラットフォームを共同開発し、ソフトウェア主導のアプローチを組み込みソフトウェア開発者に提供する。

» 2011年10月27日 16時45分 公開
[八木沢篤,@IT MONOist]

 ザイリンクスとケイデンス・デザイン・システムズは2011年10月26日(米国時間)、ハードウェアの完成前に、システム設計・ソフトウェア開発・テストを可能にする、ザイリンクスのエクステンシブルプロセッシングプラットフォーム(EPP)「Zynq-7000」ファミリ向け、バーチャルプラットフォームを共同開発したことを発表した。

 同プラットフォームは、既にZynq-7000 EPPのアーリーアクセスプログラムのユーザー向けに提供されており、使用が開始されている。一般ユーザー向けには、2012年の第1四半期に提供される予定だ。

 同プラットフォームは、ケイデンスのハードウェア/ソフトウェアの協調設計ソリューション「System Development Suite」を構成する製品「Virtual System Platform」のテクノロジー上に構築されている。Virtual System Platformとは、実ハードウェアと同等の環境を仮想的に構築し、ハードウェアが完成する前からソフトウェア開発が行える仮想プロトタイピング環境である。システム設計、ハードウェア開発、ソフトウェア開発を同時並行で進める際の生産性向上に貢献できるという。

 今回両社が共同開発したバーチャルプラットフォームでは、Zynq-7000 EPPのプロセッサシステムのファンクション(プロセッサシステムの周辺機器やメモリ、I/Oも含む)が提供され、Linuxやその他OSを起動することが可能。さらに、Zynq-7000 EPPのプログラマビリティを忠実に再現できるTLM(Transaction-Level Model)を使用することで、最終的にZynq-7000デバイスのプログラマブルロジック内に実装されるカスタム機能をモデル化し、同プラットフォームを拡張することができる。

 ザイリンクスのプロセッサプラットフォーム バイスプレジデントであるローレンス・ゲットマン(Lawrence Getman)氏は次のようにコメントを寄せる。「ザイリンクスでは、ハードウェアエミュレーションとソフトウェアの早期利用を含むZynq-7000 EPP向けの包括的開発ソリューションを2008年より提供しており、既に多くのお客さまがシステムを立ち上げ、稼働させています。ケイデンスとザイリンクスのソリューションにより、設計者が使用するワークステーション以外のハードウェアを必要とすることなく、Zynq-7000ファミリにソフトウェアをマッピングできるため、組み込みソフトウェアの開発がこれまでにない水準にまで向上します」(プレスリリースより抜粋)。

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