第2期計画の「都農第二発電所」は、第一発電所の区間から北へ3.6kmの区間に設置された(図4)。運用開始は2011年3月だったが、ちょうど東日本大震災とぶつかって大きなニュースにはならなかった。
都農第二発電所ではソーラーフロンティアが製造したCIS化合物型太陽電池モジュール「SC80-A」を使っている(図5)。使用モジュールは補助金の関係もあるため、入札によって決められたそうだが、幸いソーラーフロンティアは生産拠点の大半が宮崎県にある。宮崎県新エネルギービジョンが掲げる、製造・発電がここで連携したことになる。
使用モジュールの総数は1万2520枚。48枚単位で1基の架台に載せられており、これが延々と261基続く。発電規模は都農第一発電所の20倍となる1000kW(1MW)。数字だけで全長3.6kmと聞くと、「ふーん」という感じだが、実際に見てみるとこれはもう、とてつもない規模だ。不動産広告で見る徒歩何分という単位で見れば、45分。ジョギングでも20分はかかる長さである。
変電所は4カ所に分割されており、最終的に都農第一変電所から地元の特定規模電気事業者(PPS)に接続し、売電している(図6、図7、図8、図9)。ただしこれだけ距離が長いと送電ロスも発生するので、このような形態が発電所として必ずしもベストな形ではないという。
このように都農第二発電所の全体像を眺める限りでは、しっかりした設備であり、何の問題もなく、事業が進んだように見える。ところがそこには、実際に作ってみないと分からないノウハウがあった。
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