例えば、日常の現場管理における管理のポイントは、「日常の管理の仕方」に示す内容をPDCAに沿って順次に実行していくことです。下に示すPDCAの各ステップでの具体的な実施内容をご覧ください。
実施詳細
「管理(PDCA)のサイクル」を継続的に回していくためには、以下の項目を組織的に行わなければなりません。
しかし、管理のサイクルの数は、必要最小限に留めておく必要があります。つまり、管理サイクルをあまりに多くし過ぎると、管理サイクルを回すために必要な人(例えば点検者とか、間接員)が多くなり過ぎてしまうことがあります。また、管理サイクルを回す人が、測定者や連絡方法を勝手に決めたのでは組織的に管理された状態とはなりません。従って、管理サイクルを回す際に、工場内で統合して次のようなことを決めておかなければなりません。
これらのルールは、どの企業でも多少なりとも決められているものですが、機能しているかどうかも含めて見直し、あらためて整備し直す(管理体制の整備)ことにより、現在は管理された状況ではなくても、近い将来、高い水準の管理された状態が構築できます。
また、「図2 改善と管理の関係」に示す、「日常の管理」と「作業の改善」は、車の両輪のようなものですが、図に示すように、日常の管理で設定された品質水準を維持することで問題点が見つかり、それに対して何らかの改善を行うサイクルを繰り返し実行することで品質水準が向上します。新たな品質水準を日常の管理で維持していくようにするサイクルがまさしく「管理サイクル」なわけです。
日常の管理においては、「チェック」を行うことが非常に大切なのはいうでもありません。例えば、教育のやりっぱなし、仕事のやりっぱなしで、シッカリとしたチェックを行わなければ、標準通りの作業が行われていなくても気付かず、確実に行っているような錯覚を起してしまうことだってあるわけです。
標準通りの作業が行われているかどうかを確認(チェック)する方法には、仕事を行っているときにチェックする方法と仕事を行った結果から判断するという2つの方法があります。
前者の方法は、職場巡回中にサンプリングで行うことはできても、常に行うことは管理的にみて不可能であり現実的ではありません。従って、後者の方法と併用することが大切で、後者の方法による場合は、作業の結果が良かったか悪かったかが容易に判断できるような「物差し(これを“管理特性”という)」を設定しなければなりません。
もちろん、管理特性は、作業や工程に1つだけとは限らず、あらかじめ設定された幾つかの特性の全てが目標値を達成していなければなりません。管理特性は、標準通りの作業が行われたかどうかの判断を行うための特性ですから、次のような性質を持っていなければなりません。
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