家庭用の低価格蓄電池、ソニーが小型品を製品化スマートグリッド

家庭用や小規模オフィス用にさまざまな大容量蓄電池がそろってきた。ソニーは、小規模オフィス用に続いて、家庭用の小型蓄電池を製品化した。

» 2011年09月05日 17時20分 公開
[畑陽一郎,@IT MONOist]

 ソニーは2011年9月5日、家庭用の小型蓄電池「ホームエネルギーサーバー」2製品の出荷を2011年10月から開始すると発表した(図1)。リチウムイオン二次電池を内蔵する。市場推定価格は約15万円。

 容量は約300Wh*1)。ソニーによればテレビ(消費電力100W)であれば約2時間半、照明器具(25W)なら約10時間の連続使用が可能だという。スマートフォンを充電した場合は約30回満充電状態にできる。最大出力300Wまでの家電製品を直接接続して動作させることが可能。300W以上の機器を接続すると、保護回路が作動して給電を停止する。

*1)容量約300Whのうち、約50Whをホームエネルギーサーバー自体の動作に用いる。

 充電用電源は、家庭用の交流100V。専用ACアダプターを使い、満充電までに約6時間を要する。最大出力は300Wで、家庭用の交流100Vを2系統備える。ホームエネルギーサーバーは、出力周波数ごとに2製品に分かれる。50Hz用は「CP-S300E」、60Hz用は「CP-S300W」である。

ALT 図1 ソニーの家庭用小型蓄電池「ホームエネルギーサーバー」 スマートフォンを約30回満充電状態にできる。寸法は幅210mm×奥行き270mm×高さ350mm、重量は約12kg。内部に円筒型リチウムイオン二次電池セルを複数個備える。

 電池上部に操作部や表示部をまとめた(図2)。上部左側のボタンを押すことで、4段階の残量表示ができる。

ALT 図2 操作部(拡大) 電池上部に操作部をまとめた。電池残量確認ボタン(左)、中央の状態表示LED(残量、充電中、満充電)、出力用の電源ボタン(右)が並ぶ。

 電池の性能に影響する正極材料には、同社が開発したオリビン型リン酸鉄リチウム*2)を用いた。室温下で、1日1回充放電した場合、10年以上使用可能だという。

*2)オリビン型は結晶構造を指す用語。LiFePO4(リン酸鉄リチウム)は、かんらん石と同じ安定した結晶構造を取る。このため満充電時、高温時、長期使用時の電池の劣化が少なく、安全であるという。


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