部品の変形は有限要素の節点の変形で表されます。節点の変形量を「節点の変位(へんい)」といいます。有限要素の頂点には節点があります。節点そのものが変位します。要素内部の任意の点の変位は、要素の頂点の節点の変位から近似計算されます。その関数を「形状関数」といいます。
要素内部の任意の点の計算は、要素の構成節点が多いほど精度が上がります。要素の頂点の節点と節点の間に設けられる節点を「中間節点」といいます。
中間節点の数によって要素の精度は上がっていきます。中間節点が1つもない要素を「1次要素」といいます。そして、中間節点が1つある要素を「2次要素」といいます。それでは3次要素はあるのでしょうか? ……あります。ただし、一般的な有限要素解析で使う要素は2次要素までです。
一般的な設計者向けの有限要素法のソフトでも1次と2次の要素は普通に使えますが、3次要素となると、僕は見たことがありません。
さて、図4ではシェル要素の四角形を例に挙げましたが、三大有限要素すべてに1次要素と2次要素があります。もちろん3次要素もありますが、設計者向け解析ソフトでは見たことがないので、ここでは2次要素までとして、説明を進めます。
バー、シェル、ソリッド、それぞれの1次要素と2次要素を次の表にまとめました(図5)。
どの要素も2次要素がゆがんでいるように描かれています。中間節点は要素の頂点と頂点を結んだ直線の中間点にある必要はないのです。よってこのようにゆがんだ要素も表現することが可能です。
「ゆがんだ」というと言葉のイメージが良くないですね。これはつまり「要素の形状が柔軟である」ということです。部品を要素分割する場合、1次要素を使うと、要素のエッジが直線なので、部品に曲面がある場合、部品の形状を正確にトレースできません。例えば穴の形状をできるだけ正確に表現しようとすると、どうしても要素数が多くなってしまいます。2次要素であれば、1次要素よりは部品の曲面部分をより正確に近似することができます。
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