現在、MSRSは英語版のみがリリースされています。残念ながら、日本語版は提供されていません(原稿執筆時点)。ここでいう「英語版」とは、「OSの仕様が英語圏向けになっている」という意味です。MSRSは、Windows Embedded CEなどと同様にUnicodeを採用しているので、フォントを供給すれば英語版でも日本語を表示することができます。
また、MSRSでの長さの単位は「インチ」です。これに対して、日本語版OSの尺度は「センチメートル」です。インチをセンチメートルへ換算する際、その数値によってはエラーを引き起こす可能性があります。
数年前、インテルのCPUで「ある特定の数値で割り算を行うとエラーが発生する」というバグが発見されました。これと同じような状況です。MSRSを日本語版のOSへインストールしても特に問題がない場合がほとんどですが、万一のトラブルに備えて英語版のOSを使用することをお勧めします。
ちなみに筆者は、実際に英語版のWindows XPを購入しました。本連載で使用している画面のキャプチャを注意深く見ると英語版OSを使用していることが確認できると思います。
次に、MSRSを開発環境となるPCにインストールします。MSRSのダウンロードは、商用を除けばhttp://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyId=3D706147-82E2-4B4A-AF12-DB7D3F8ACD8A&displaylang=enから無償でダウンロードできます。ダウンロードするファイルは「Microsoft_Robotics_Studio_1_0_Setup.exe」です。
ダウンロードが完了したら、Microsoft_Robotics_Studio_1_0_Setup.exeを実行し、インストーラー(画面2)に従いインストールを行ってください。
NXTとMSRSの準備が整ったら、両者を接続してみましょう。Bluetoothで通信する場合、はじめに通信する2つの機器(NXTとPC)の間に通信路を構成する必要があります。
BluetoothのドングルをPCへ差し込み、NXTの電源をオンにしてPCとNXTをBluetoothで接続します。詳しい方法などは、一般的なBluetoothの利用方法と同様のためここでは省略します。
Bluetoothの通信路は、PCのシリアルポートに割り当てられます。ここで、Bluetoothのポート番号を確認してください(注)。
筆者の場合は、画面4に示すように「COM3」に割り当てられました。
最後にBluetooth接続に関する注意点ですが、MSRSを使用する際はLEGOのSDKを終了してください。SDKとNXTがBluetoothで通信している状態では、MSRSを使用できません。また、その逆も同じです(MSRSとNXTが通信している状態では、SDKは使用できません)。
次回は、MSRSの「Visual Programming Language」を使ってプログラムを作り、実際にロボットを動かす予定です。(次回に続く)
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