HEWを起動すると、下記画面が表示されます(図1)。
プログラムのビルドは、ビルドボタンを押せば開始されますが、その前にコンパイラやアセンブラ、リンカなどのオプション設定を行います。ここでは、コンパイルオプションとリンクオプションについて解説します。
図2は、コンパイラオプションのオブジェクト設定画面です。[デバッグ情報出力]をチェックすると、デバッガでソースレベルデバッグが行えます。
HEWからはデフォルトで、プログラム領域やデータ領域などがセクションに分割されて生成されます。
ユーザーオリジナルのセクションを設定することも可能です。
図3は最適化を設定する画面です。デフォルトではサイズ優先の最適化が有効となっています。高度な最適化を行うと、変数がデバッガで参照できない、特定の行が有効にならないなど、デバッグに支障を来す場合があります。このためデバッグ時には、最適化を無効にした方がよいでしょう。なお、コンパイラオプションで最適化を無効にすることで、リンカの最適化も自動的に抑制されます。
リンクオプションでは、出力ファイルの形式やメモリ配置などを設定します。図4は、出力ファイルの形式を指定する画面です。
デバッガでソースレベルデバッグを行う場合は、オブジェクト中にデバッグ情報が出力されるアブソリュート(ELF/DWARF)を選択します。また、ROM化する場合は、ROMライタの仕様に合わせて、インテルHEXまたはモトローラSを選択します。
図5は、セクションの配置アドレスを指定する画面です。ターゲットボードの仕様に合わせて、セクション名の変更や追加・削除、セクション割り付けアドレスの変更や追加・削除などができます。例えば、PResetPRGセクションの配置アドレスを変更する場合、Addressの個所のアドレスデータ0x00000400をアクティブにした後、変更をクリックします。
またデバッグ時に必須ではありませんが、リンクマップファイルを出力すれば、各モジュールやシンボルの配置情報が確認できます。
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