「2030年代半ばに新車全て電動車」と聞き、前回の東京モーターショーを思い出す:自動車業界の1週間を振り返る(2/2 ページ)
みなさんこんにちは。金曜日です。1週間おつかれさまでした。12月の金曜日は、あと3回しかありません……。長いような短いような、いろいろあったような、何もなかったような、不思議な1年でしたね。この言い方だと2020年を思い返すべきところですが、私が思い出しているのは2019年の東京モーターショーです。
15年後だけでなく、自分の老後のお出掛けも考えたい
さて、今週MONOistで公開した記事も振り返りたいと思います。まずは、15年後の電動車とも無関係とはいえない、高齢者の移動に関する記事です。国土交通省が発表した交通政策白書を読み解いた『超高齢社会の「移動の足」を支えるには? 生きがいになる外出の促進を』を掲載しました。日本や世界の高齢化の進行、「働く」「学ぶ」「遊ぶ」など外出が生きがいに与える影響といった話題について、グラフも含めて解説しています。
個人的に大好きなポッドキャストなのですが、「お墓どうしよっか」「狭い老人ホームでも生きていけるように身の回りのものを減らしたい」などと中年女性2人が加齢についてざっくばらんに明るくおしゃべりする番組があります(気になった方は「OVER THE SUN」で検索してみてください)。高齢化はどうしても暗い話題になりがちですが、明るくオープンに、自分自身の祖父母や両親、あるいは自分が老いたときのことを起点に高齢者の移動の在り方を考えられるといいですよね。
ここまで「少し先の将来を考えて」と書いてみたものの、簡単ではなさそうだと思い至りました。15年後を考えてみてといったところで、配置転換や人事異動で今考えていることややろうとしていることが途切れたり、転職してそもそも違う仕事に携わったりする人が大多数かと思います。また、何かを企画する権限のある立場の人がこうした理由で去ってしまったり、アイデアのある若手中堅が足元の業務で忙しくするうちに「少し先のこと」に取り組む余裕がなくなったりするでしょう。特に「やりたい」と強く主導してきた人がいなくなった途端に企画まで立ち消えになることは想像に難くありません。どうしたものでしょうか。
ゼロ災でいこう! ヨシ!
この仕事をしていて盛り上がる場面の1つが工場に行くときですが、帽子をかぶったり安全メガネをかけたり、靴や服装について指定があったり(ヒールは絶対NG、場合によってはスカートも)、ちょっとした見学であってもきちんと準備することが必要なので気が引き締まります。
そんな製造業の安全に関する取り組みを、自動車部品メーカーで働くカッパッパ氏に書いてもらいました(ご安全に! 製造業で「安全」が最優先されるのはなぜ?)。帽子や安全メガネ、靴や服装なんてものは初歩中の初歩であり、何のために、どのようにして「安全第一」を守り続けているかを改めて理解することができました。忙しい時期だからこそ、工場の現場の人も普段はオフィス勤めの人も、基本を忘れずに!
他の連載も更新しました。モータースポーツ超入門の第3回「ディーゼル、ダウンサイジングターボ、HV……パワートレインのトレンドを映すWEC」です。モータースポーツってよく分からない……という方でも、名の知れた日系企業が活躍しているとなると興味を持つハードルが下がるのではないでしょうか。世界耐久選手権(WEC)を取り上げた今回は、トヨタ自動車のハイブリッドシステムについても触れています。また、少し先になりますが、2022年からはル・マンで再びトヨタとアウディが戦います(何が「再び」なのかと思った方は、ぜひ連載で確認してみてください)。
「F1の技術は量産車に生かせる技術とはいえない」という関係者の話が過去の連載では出てきますが、WECを競ってきたパワートレインは、身近なクルマのトレンドと地続きであると感じます。いつか、新型車の取材で「この考え方、もしやあのときのWECで採用していた技術の延長では!?」と気付けるといいなあと思います。
最近こんな記事を公開しました
- いまさら聞けない自動車業界用語
- 交通政策白書2020を読み解く
- モータースポーツ
- 電動化関連ニュース
- 製造マネジメントニュース
- 自動運転技術
- 製造業がサービス業となる日
- 車載ソフトウェア/組み込み開発
- 編集後記
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