ダカールラリーも電動車の舞台に、アウディが電動パワートレインで参戦:電気自動車
アウディは2020年11月30日、2022年からダカールラリーにファクトリーチームとして参戦すると発表した。
アウディは2020年11月30日、2022年からダカールラリーにファクトリーチームとして参戦すると発表した。参戦車両には電動パワートレインを搭載する。開発で得られたノウハウは、2025年には販売台数の4割を占めると見込む電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の量産モデルに生かす。
ダカールラリーに電動車で参戦するのは、「アウディが初」(同社)だという。ダカールラリーのレギュレーションでは車両に搭載するする技術の自由度が高いため、過酷な環境下で量産車向けの技術開発に取り組むことができるとして参戦を決めた。参戦車両に搭載する電動パワートレインは、高効率な直噴ターボエンジン(TFSI)を発電機として使い、電動ドライブトレインの電源となる高電圧バッテリーを充電する。今後数年間で電動ドライブトレインとバッテリーの性能を改善していく。
アウディはモータースポーツ活動での電動化技術の開発を強化してきた。2012〜2016年に「ル・マン24時間耐久レース」などで知られるFIA世界耐久選手権(WEC)にハイブリッド車で参戦し、EVによるレース「フォーミュラE」では完全なファクトリー仕様のレースカーで2017年から参戦している。この間、Team Audi Sport ABT Schaeffler(チーム アウディ スポーツ アプト シェフラー)は12回の優勝を含む合計43回の表彰台を獲得した。
なお、フォーミュラEへのファクトリーチームとしての参戦は2021年シーズンが最後になるが、カスタマーレーシングでの活動は引き続き強化する。「R8 LMS」によるニュルブルクリンク24時間レースなどの主要な耐久レースや、インターコンチネンタルGTチャレンジなどの国際レースシリーズへの参戦に加えて、デイトナ24時間レースとル・マン24時間レースの新しいカテゴリーである「LMDh」への参戦準備も進めている。
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