「ハマー」がEVに、1000馬力で走行距離563km、350kWの超高速給電に対応:電気自動車
General Motors(GM)は2020年10月21日、GMCブランドのSUV「ハマー」の電気自動車(EV)モデルを発表した。2021年秋にハマーEVの「エディション1」を発売した後、走行距離の長さや駆動用モーターの搭載数が異なるグレードを順次追加する。
General Motors(GM)は2020年10月21日、GMCブランドのSUV「ハマー」の電気自動車(EV)モデルを発表した。2021年秋にハマーEVの「エディション1」を発売した後、走行距離の長さや駆動用モーターの搭載数が異なるグレードを順次追加する。販売価格はエディション1が最も高額で11万2595ドル(約1179万3003円)からとなる。ハマーEVはGMのEV専用工場であるファクトリーゼロで生産する。
ハマーEVはGMが開発したグローバルEVプラットフォームと独自のバッテリー「Ultium(アルティウム)」を採用。NCMA(ニッケル-コバルト-マンガン-アルミニウム)化合物を使用した24モジュールのバッテリーと、最大3基の駆動用モーターを搭載することにより、クラストップの出力を提供する。フロント1基、リア2基の合計3基の駆動用モーターで1000馬力を発生させる。
バッテリーはコバルトの使用量を従来モデルよりも70%削減した。走行距離は、GMの推定で350マイル(約563km)以上を確保するという。また、「業界初」(GM)となるワイヤレスバッテリー管理システムなど新技術も搭載している。大容量バッテリーの搭載に合わせて、充電は出力350kWのDC急速充電器に対応。さらに、充電中はバッテリーを並列から直列に切り替えてバッテリーの電圧を400Vから800Vに変更することにより、10分間で100マイル(約160km)分を充電できるという。
駆動用バッテリーはハマーEVの走行性能にも貢献しており、取り付け位置の低さによる低重心化でコントロール性や安定性を高めた。また、駆動用バッテリーをコンパクトな構造とすることで、オフロード走行に適したプロポーションを実現したという。
アクセルペダルの操作で加減速が行えるワンペダルドライビング機能や、ステアリングから手を離すことができて自動車線変更も可能な運転支援システム「スーパークルーズ」も搭載する。オフロード走行向けに、アンダーボディーなどに搭載したカメラでさまざまな角度から周辺を確認できる「ウルトラビジョン」、四輪操舵(そうだ)システムによって斜めに走行できる「CRAB WALK」などの機能も用意している。
エディション1以降に追加されるグレードは、3モーターで走行距離が300マイル(約482km)以上、最大トルクが800馬力の「3X」(2022年秋発売)、2モーターで走行距離が300マイル以上、最大トルクが625馬力の「2X」(2023年春発売)、2モーターで走行距離が250マイル(約402km)以上、最大トルクが625馬力の「2」(2024年春発売)の3種類だ。
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