GMが2020年モデルからEEアーキテクチャ刷新、最大10Gbpsのイーサネットも採用:車載ソフトウェア
General Motors(GM)は2019年5月20日(現地時間)、新しい車載デジタルプラットフォームを2020年モデルから採用し、2023年までにラインアップの大部分に展開すると発表した。2019年4月に発表し、同年末から生産する「キャデラックCT5」向けから、この車載デジタルプラットフォームが生産される。新型キャデラックCT5の日本導入時期は未定。
General Motors(GM)は2019年5月20日(現地時間)、新しい車載デジタルプラットフォームを2020年モデルから採用し、2023年までにラインアップの大部分に展開すると発表した。2019年4月に発表し、同年末から生産する「キャデラックCT5」向けから、この車載デジタルプラットフォームが生産される。新型キャデラックCT5の日本導入時期は未定。
新開発の車載デジタルプラットフォームは、電動化、アクティブセーフティ、インフォテインメントシステム、コネクティビティ、運転支援システム「スーパークルーズ」の基盤となる。これらの機能が全て連携して動作するには、より広い帯域幅と高い接続性が必要になる。
そのため新開発の車載デジタルプラットフォームは、現行のE/E(電気電子)アーキテクチャと比較して5倍以上のデータ処理能力を持つ。1時間当たり最大4.5TBの処理が可能だ。こうした処理性能の向上により、無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)のための余力が増え、クルマのライフサイクルを通じて機能のアップグレードを継続することが可能になる。また、伝送速度100M〜10Gbpsの車載イーサネットの採用により、車内や社外の高速通信を実現する。
サイバーセキュリティに関しては、GMはグローバルプロダクトサイバーセキュリティ組織を立ち上げており、社内のエキスパートチームが不正アクセスの潜在的リスクの洗い出しと、車両やユーザーのデータ保護に取り組んできた。
車載デジタルプラットフォームはこうした取り組みを反映し、ハードウェア、ソフトウェア、エレクトロニクスのエンジニアが連携して開発した。ハードウェアとソフトウェアの両面で高いセキュリティ性能を持たせたとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- イーサネットがなぜクルマに必要? 期待される役割は
インターネット経由で誰とでもつながる時代。個人が持つ端末はワイヤレス接続が大半を占めていますが、オフィスなどではいまだに有線によるローカルエリアネットワーク(LAN)が使われています。そのLANの基盤技術の1つとして広く使われているイーサネット(およびTCP/IP)が、次世代の車載ネットワーク技術として注目を浴びています。本稿では注目される背景、役割や規格動向から、関連するプロトコルの概要まで、複数回にわたり幅広く解説していきます。 - VWのコネクテッドカーの肝は「vw.OS」、カーシェアなどサービスの土台に
Volkswagen(VW)は2018年8月23日(現地時間)、2019年第2四半期から電気自動車(EV)のカーシェアリング「We Share」を開始すると発表した。クルマを所有しない人を主なターゲットとし、EVやカーシェアリングの利便性を知ってもらうことが狙いとなる。 - ソフト開発は「ツールとインフラが9割」、トヨタの先行開発会社が重視すること
トヨタ自動車、デンソー、アイシン精機の共同出資会社であるToyota Research Institute Advanced Development(TRI-AD)は2019年1月30日、東京都内で事業説明会を開いた。 - 車載イーサネットが本格導入へ、伝送速度はCANの100倍以上
自動車の電子化が進み、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転技術の開発が加速する中で、車載ネットワークの高速化も進みつつある。「人とくるまのテクノロジー展2018」では、現行のCANと比べて100倍以上の伝送速度を持つ車載イーサネット関連の展示が多数見られた。 - クルマが本当に「走るスマートフォン」になる日、カギはからっぽのECU
つながるクルマに関連した技術や製品は、これまでにも多くあり、現在も開発が進められている。しかし、それだけでは「走るスマートフォン」にはならない。スマートフォン並みにクルマの自由度を高めるには何が必要か。 - コネクテッドカーに「完成」はない――ベクターコンサルティング
Vector Consulting ServiceのChristof Ebert(クリストフ・エバート)氏に、自動車の開発プロセスはどのように変わっていくべきか、今後の在り方を聞いた。 - 自動車業界にセキュリティ意識調査、不十分な対応やリソース不足が目立つ
シノプシス(Synopsys)は2019年2月20日、東京都内で会見を開き、自動車業界のセキュリティの取り組み状況に関する調査結果を発表した。調査はSAE(米国自動車技術会)と共同で、グローバルの自動車メーカーやサプライヤーなどを対象に実施した。