「ChaoJi(チャオジ)」は超急速充電の世界統一規格となるのか:和田憲一郎の電動化新時代!(36)(1/4 ページ)
日中共同による超急速充電規格が大きな進展を見せている。ネーミングを「ChaoJi(チャオジ:超級)」とし、仕様書発行は2020年末までを目指して進めているようだ。なぜここまで急激に進展してきたのか、どのような仕様で、急速充電器や車両はどう変わるのか、今後の課題は何なのか、これらについてCHAdeMO協議会への取材を敢行した。
以前の記事「日中共同による急速充電新規格は、世界標準となるのか」(2018年7月30日掲載)から約1年半が経過したが、現在はどうなっているのだろうか。進捗状況についてCHAdeMO協議会へ取材を行った。
すると、驚くべきことにこの1年半の間に大幅に進展していたのである。また、ネーミングを「ChaoJi(チャオジ:中国語で“超級”)」とし、2020年末までの仕様書発行を目指して進めているようだ。なぜここまで急激に進展してきたのか、どのような仕様で、急速充電器や車両はどう変わるのか、今後の課題は何なのかなどについて、CHAdeMO協議会の事務局長の吉田誠氏および同協議会の丸田理氏にインタビューを行った。
これまでの経緯
和田憲一郎氏(以下、和田氏) 前回の取材から約1年半が経過した。日中共同による超急速充電器の開発について、現在の状況を教えてほしい。
吉田氏 前回の取材を起点とすると、その後に大きなイベントがいくつかあった。まず、2018年8月28日には、CHAdeMO協議会と中国電力企業連合会(日本の電気事業連合会に相当)との間で日中の規格制定に向けて覚書が締結された。その後、同年10月26日には、日本政府と中国政府による第三国への普及拡大に向けた覚書が締結され、その具体例として、2019年2月27日、日本政府とインド政府で、インドにおける急速充電器普及への協力について覚書が締結された。
技術開発は順調に推移している。最初に紹介しなければならないのは、前回の取材時に、日中共同による超急速充電のネーミングに関して、「New GB/T」と表現していた。その後、日中間で協議し、ネーミングを「ChaoJi」と呼び、開発を進めてきた。そのため、今後はこの規格をChaoJiとして紹介したい。
ChaoJi仕様書について
和田氏 前回の取材では、仕様書は2020年に公表とのことだった。実際はどうか
丸田氏 仕様書に関しては、現在ドラフトが完成しており、CHAdeMO協議会の関係者で確認中である。仕様書はこれまでCHAdeMO2.0としていたが、今回のChaoJiを採用するにあたって、CHAdeMO3.0として出す方向で動いている。公表時期は2020年末までの予定だ。残っているアイテムとしては、拡張性、CHAdeMOとChaoJiが双方向で行うのか、バックワードコンパチビリティーなどがある。
和田氏 ChaoJiは日中共同開発とのことだが、中国側では具体的にどこが仕様書などを担当しているのか。
吉田氏 中国に於けるChaoJiの受け皿は、中国電力企業連合会である。われわれはChaoJi仕様書を共同で作成しており、中国での実際の互換性確認も、その組織が担うこととなる。
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