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GMは第1世代のEVから黒字化、開発期間短縮とバッテリーコスト6割減がカギに電気自動車

GM(General Motors)は2020年11月19日、電動化への投資を強化すると発表した。EVや自動運転車への2025年までの投資額は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大以前に計画した200億ドル(約2兆800億円)から270億ドル(約2兆8100億円)に増やす。

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 GM(General Motors)は2020年11月19日、電動化への投資を強化すると発表した。電気自動車(EV)や自動運転車への2025年までの投資額は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大以前に計画した200億ドル(約2兆800億円)から270億ドル(約2兆8100億円)に増やす。2025年末までに米国における製品ラインアップの40%をEVにするとともに、2020年代半ばまでにグローバルでEV30車種を投入する。

GMが展開するEVプラットフォーム「Ultium(アルティウム)」(左)。米国で第2世代のバッテリーセルの開発を進めている(右)(クリックして拡大) 出典:GM

 EV30車種は、GMが開発した独自のバッテリーを含めたグローバルEVプラットフォーム「Ultium(アルティウム)」を活用して商用車やパフォーマンスカー、ファミリーユースなど広い用途と価格帯に向けて展開する。一部の車種は前倒しで投入する計画だ。GMCブランドのSUV「ハマー」のEVモデルで開発期間を当初の計画である50カ月から26カ月に短縮した実績を生かし、キャデラックブランドのSUV「LYRIQ(リリック)」は、予定よりも9カ月早く2022年第1四半期に投入する。

 その他、GMCブランドのピックアップトラックなど3車種、シボレーブランドの4車種、キャデラックブランドの4車種、ビュイックブランドのEV2車種なども開発スケジュールを前倒しする。モジュール化したアルティウムやバッテリー技術の進歩、バーチャル開発ツールの活用などにより、開発期間を短縮していく。また、アルティウムプラットフォームは第1世代から黒字化が期待できるとしている。


2025年に実用化する次世代のバッテリーセル(クリックして拡大) 出典:GM

 アルティウムバッテリーは性能向上により走行距離が400マイル(約643km)から450マイル(約724km)に拡大した。バッテリーパックのコストは既に「シボレーボルトEV」から40%削減したが、第2世代のアルティウムバッテリーに使用する化合物は現在の半分以下のコストで2倍のエネルギー密度を実現するとしており、2020年代半ばに実用化する。バッテリーパックのコストとしては60%削減を達成するという。

 また、EVをガソリンエンジン車と同等の価格に近づけることを目指す。GMとLG化学の合弁会社での生産効率の改善、より安価な正極材の採用や活性材料の削減、電解質の変更、リチウム金属アノードの採用などによりコストを低減する。また、バッテリーの次世代化合物の開発に向けて、2021年に研究開発拠点の建設に着手する。

 アルティウムのプラットフォームは、新しい化合物やセルタイプを柔軟に受け入れるため、バッテリーの変更に合わせてアーキテクチャを再設計する必要がないという。また、バッテリーのモジュールレベルでのメンテナンスが容易になるため、修理費用を低減できるとしている。

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