「e-F@ctoty」を核に「行動のDX」「知見のDX」を推進する三菱電機:IIFES2019(1/2 ページ)
オートメーションと計測の先端総合技術展「IIFES2019」(2019年11月27〜29日、東京ビッグサイト)のキーノートセッションに三菱電機 FAシステム事業本部 名古屋製作所 副所長の都築貴之氏が登壇。「『DX』×『e-F@ctory』 加速する、ものづくりトランスフォーメーション」をテーマに、三菱電機のDX(デジタル変革)への取り組みを紹介した。
オートメーションと計測の先端総合技術展「IIFES2019」(2019年11月27〜29日、東京ビッグサイト)のキーノートセッションに三菱電機 FAシステム事業本部 名古屋製作所 副所長の都築貴之氏が登壇。「『DX』×『e-F@ctory』 加速する、ものづくりトランスフォーメーション」をテーマに、三菱電機のDX(デジタル変革)への取り組みを紹介した。
製造業のデジタル変革とは何か
「DX」は2004年にウメオ大学(スウェーデン)教授のエリック・ストルターマン(Erik Stolterman)氏が提唱した。IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などの最新デジタル技術を駆使し、モノ・コト・知識を変革させていくことを表す概念である。DXにより新たな価値を創造し、人々の生活をより良い方向へ変化させていくことを目指している。
この背景にはグローバル競争の激化、ゲームチェンジャーの脅威、持続的社会への貢献など社会やビジネス環境の急速な変化がある。その中で企業が継続的な成長や発展を実現するためには、これまで以上にデジタルと人の融合を図り、業務プロセスや事業構造の抜本的な見直しが必要となってきている。日本では、政府がこのDXによって生まれる社会の姿として、人間中心の課題解決・創造型の社会「Society5.0」を打ち出している。
その中で、日本の製造業に求められるものも変わってきている。日本の製造業には、もともと現場の力、知見、臨機応変な課題解決能力、継続的な解決の仕組みがある。都築氏は「従来の製造業は熟練工の知恵や経験、絶え間ない現場の改善により強い競争力を保ってきた。しかし、今後はこれらの人の力に加えて、データ活用が求められている。既に半導体業界などではこうした取り組みは進んでいる。これまで培ってきた人の経験、知恵に、現場のデータ活用を融合させて、その中で最適な業務形態へと変革していくことが求められている」と語っている。
現場起点のDXを目指す「e-F@ctoty」
DXを進める中では、上位層から進めるトップダウンアプローチと、現場から押し上げるボトムアップアプローチの2つの方向性がある。これは、ITシステムから現場の業務改革を進めるパターン(デジタル起点)と、現場発で改革を進めるパターン(現場起点)である。日本では以前から、製造立国ならではの現場の技術力やノウハウを生かして、現場起点での課題解決や変革が進められてきた。
これは現場のことをあまり理解せずに進めるITシステムや経営層からの変革と異なり、現場の強みを生かしてITを活用し、企業価値につなげていく試みである。三菱電機では、この現場起点でデジタル技術を活用した現場改善ソリューションとして、2003年から「e-F@ctoty」を提唱している。「e-F@ctoty」は、生産現場(FA)、エッジITシステムで構成され、現場知見と最先端技術を駆使して、ものづくり全体の最適化を目指している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.