「希望退職」の募集があったら、どうすればいい?:モノづくり業界転職トレンド(9)(2/2 ページ)
会社側から退職希望者を募る「希望退職」。突然やってくるこの不測の事態には、どう対応していけばいいのだろうか。希望退職のメリットやデメリット、またそのときに向けた心構えなどについて転職コンサルタントに聞いた。
短期決戦の転職を成功させるコツは
これまで述べたとおり、希望退職にはリスクもある。次の職場が見つかるかどうか分からないし、起業しても成功するとは限らない。家庭を持っている方も多いと想定されるので、家族の理解を得るということも重要な要素となるだろう。
しかし「基本的にはチャンスととらえてほしい」と大熊氏。退職に当たっては金銭的に手厚いフォローがあるし、会社都合であるためネガティブな要素はない。特に現在の職場で自分の目標やキャリアを達成したと感じている方、あるいは自分の技術力や実績と会社の評価にギャップを感じている方などにとっては、チャレンジできる大きなチャンスだ。
では希望退職者の募集に手を挙げ、新たな職場を探すには、どういう行動を取ればいいのか。まず知っておいていただきたいのは、常設される早期退職制度とは異なり、応募期間も人数も限定され、退職日も確定していることだ。募集期間2カ月、退職日はその1カ月後といったケースもあり、あまり悠長に考えていれないスピード感である可能性は高い。
この“短期決戦の転職”を成功させるには、エージェントの支援を活用すると良さそうだ。企業によっては、人事部門が希望退職者向けにエージェントへの登録を推奨しているケースもあることから、有効な方法であることは明らかだろう。
またクイックのデータによると、中途市場における書類選考の通過率は20〜30%で、率の高い人でも40%程度。「スピード感、書類先行の通過率を考えると、多くの企業に応募するのがコツ」と大熊氏。同社の登録者は、まずは3〜4社、多い方は5〜6社に応募しているという。
エージェントに登録すること自体をためらってしまう人もいるかもしれないが、むしろエンジニアとしての客観的な価値を知る手段と考えた方がいいだろう。実際クイックの登録者には、すぐに転職することは考えていないが、業界における自分の技術のニーズや、転職市場の情報を得るために登録している人も多いという。自動車業界に精通したスタッフと面談する機会もあり、エージェントを通じてしか得られない情報を入手することもできる。まず、客観的な自分の強みや可能性を知るために、今からエージェントに登録してみるのもいいかもしれない。
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