CT装置の“常識”を打ち破る「SOMATOM go」はタブレット端末で操作する:2017国際医用画像総合展
シーメンスヘルスケアは、「2017国際医用画像総合展」において、タブレット端末で操作する新コンセプトのCT装置「SOMATOM go」を披露した。CT検査のワークフローにおける“常識”を打ち破る「業界初」(同社)の製品だという。
シーメンスヘルスケアは、医療用画像診断機器の展示会「2017国際医用画像総合展(ITEM2017)」(2016年4月14〜16日、パシフィコ横浜)において、タブレット端末で操作する新コンセプトのCT装置「SOMATOM go」を披露した。
CT装置は、X線の管球と検出器を組み合わせたリング型のガントリー(架台)と、患者が横たわるクレードル(寝台)、そしてCT装置を操作するコンソールから構成されている。このコンソールは、ガントリーとクレードルを設置した検査室と隣接する、X線防護を施した別室に設置されているのが一般的だ。医師や放射線技師は、CT検査のワークフローとして2つの部屋を繰り返し行き来することになる。
SOMATOM goは、このCT検査のワークフローにおける“常識”を打ち破る「業界初」(同社)の製品だ。ガントリーにコンソールの本体機能が内蔵されており、Wi-Fiで接続した専用のタブレット端末を使ってCT装置の操作を行える。X線を照射する際は、Bluetooth接続による専用リモコンを使っての沿革から操作が可能だ。
タブレット端末と専用リモコンを用いた「モバイルワークフロー」により、医師や放射線技師は、X線を使用する間を除いて、検査室からほとんど出ることなくCT検査を実施できる。「従来のように頻繁な移動がないので検査が効率的であり、可能な限り患者のそばにいて説明できるので安心してもらえる。またX線防護用の鉛ガラスを用いた別室が必ずしも必要なくなるので、これまでスペース的な問題からCT装置を導入できなかった病院にも採用を検討してもらえるだろう」(シーメンスヘルスケアの説明員)という。
モバイルワークフローの実現に貢献したのが、同社のCT装置で進化を続けてきたCT撮影の自動化技術だ。従来型のコンソールとは異なる、タブレット端末を用いたタッチ操作でも、患者登録から画像確認、転送などをスムーズに実施できるようになったことが、SOMATOM goの製品化の基礎になっている。
ガントリーはコンソールの本体機能を内蔵しているものの、SOMATOM goと同じ16列マルチスライスCTの従来機と比べても少し小型になっている。モバイルワークフローによる新規導入の他、16列以下のマルチスライスCTとの置き換えも目指していく。
医療情報クラウド「teamplay」もアップデート
CTやMRIなどの医用画像データを中心に医療情報のビッグデータを扱うクラウドサービス「teamplay」も機能向上を果たした(関連記事:シーメンスの医療情報クラウド「teamplay」、他社製診断機器のデータも活用可能)。
ITEM2017では、装置の撮影手順などの情報である「Protocol」を管理する機能に加えて、teamplayのユーザー間で医用画像データを共有してSNSのようにコメントのやりとりができる「ImagingSharing」などが加わった。
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