「設備」は、日野自動車と三菱ふそうがそれぞれ保有しているテストコース、台上試験機、試験車両などについて、個別利用から相互活用に移行していくことが最初の取り組みになる。端緒となる事例として、2026年9月から三菱ふそうの試験施設である喜連川研究所(栃木県さくら市)で、日野自動車製の大型エンジンの試験を開始したところだという。この事例をきっかけに相互の設備利用を自由に行えるようにした上で、将来的にはARCHIONとしての新たな設備の導入に移行していきたい考えだ。
「組織」で進めるのが、両社の人と人をつなぐ人材交流プログラムである。Step1として、両社R&D現場の期待や要望、不安の吸い上げを行い、ARCHIONを含めた3社のR&Dトップと現場をつなぐ橋渡しを行っており、現在はStep2である人材交流プログラムの企画と実行の段階に入っている。1週間ほどの短期プログラムによって相手会社の業務に参加し、互いの現場を体感する取り組みが始まっている。プログラム参加者から、相手会社の良い面を取り入れたいという具体的な声が出るなど、一定の手応えを感じているとしている。Step2では、より期間の長い中長期の交流プログラムや相互出向を行うことも検討中だ。そして、Step3となる組織としてあるべき姿の検討/実行についての議論も始めている。
会見では、ARD8の活動を進める中で、日野自動車と三菱ふそうで互いにどういったところを良いと感じているか、異なる企業同士が一緒になるために何が必要か、などについてのコメントもあった。
互いの良いところでは、三菱ふそうからは「日野は三菱ふそうより組織が大きく人が多いこともあって、やりたいことをやりやすい環境にあるのかと感じた。三菱ふそうはダイムラートラックグループの一員として活動する必要があったが、日野と一緒になったことでこれからもっとやりたいことをやれるんじゃないかと思っている」という意見が出た。
一方、日野自動車からは「三菱ふそうはプロセスに基づいて開発する考え方がしっかりしていて、プロセスの切れ目切れ目でしっかり判断がされていくのはすごくいいところだと感じている。日野はみんなで走りながら色んなことを瞬時に判断しながら進めていくという考え方が強いが、三菱ふそうの区切れることも強みになると思う」という感想があった。
この他「三菱ふそうはパートナーの使い方がうまい」「日野は自前でやることが多い」など互いの社風の違いに関する意見も見られた。
異なる企業同士が一緒になるための考え方としては、「互いの価値観の違いをよく知ることが重要だ」という意見があった。日野自動車と三菱ふそうの開発者はそれぞれの商品や技術に思い入れがある。その上で、「技術ロードマップ」や「プロセス」などを統合する際には、目標を共有しつつ、互いをよく知り背景を知っておくことで「Win-Winになるような選択肢を選びやすくなるのではないか」とのことだった。
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