三菱電機と鴻海はお互いのどこにほれたのか 三菱電機モビリティ共同運営の概要:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

» 2026年10月20日 06時15分 公開
[坪田澪樹,MONOist]
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「お互いのここにほれた」 両社が語る共同運営に関する思い

鴻海精密工業の関潤氏

 鴻海はさらなる持続的成長を作り込むために「3+3+3」戦略を掲げ、事業展開に注力している。同戦略は3つの事業領域(EV/デジタルヘルス/ロボット)+3つの技術(AI/半導体/5G、6G、サテライト)+3つのスマートプラットフォーム(スマート製造/スマートEV/スマートシティー)を全てつなげることにより、機能性やコストパフォーマンスを高め、最終的に顧客の利便性を向上させるという内容である。今回の提携はこのうち、EV事業領域の強化を目的とする。

「3+3+3」戦略の詳細[クリックで拡大] 出所:三菱電機、三菱電機モビリティ、鴻海

 鴻海精密工業 EV 最高戦略責任者の関潤氏は「われわれの展開しているCDMS(受託設計/製造サービス)は、ビジネスモデルをサステナブルにするためには垂直統合が必要である。そのため、コンポーネント/モジュール、プラットフォーム、アフターセールスなどを同時に固めている最中である。今回の三菱電機との提携を通じて、コンポーネント/モジュールの強化を共同で進める」と説明する。

鴻海のEV戦略[クリックで拡大] 出所:三菱電機、三菱電機モビリティ、鴻海

 鴻海が今回の共同運営に至った大きな理由は、三菱電機モビリティが持つ「電子制御技術」である。具体的には、ADAS(先進運転支援システム)やSDV(ソフトウェアデファインドビークル)などの要素技術を潤沢に有している点に魅力を感じたからだという。

 関氏は「(三菱電機モビリティの)田中さんの人柄にもほれたが、一番われわれにとって魅力的だったのが、電子制御技術である。三菱電機を通じての外のパートナーと取り組みを進めており、かなり具体的にシナジーが進んでいる」と語る。また、鴻海と三菱電機モビリティは両社の持つ強みが大きく異なり、その補完性が高いと評価しており、この点も今回の共同運営に至った大きな要因となっている。

鴻海が三菱電機グループと目指すもの[クリックで拡大] 出所:三菱電機、三菱電機モビリティ、鴻海

 一方、三菱電機側が鴻海にほれた点について、加賀氏は「三菱電機は会社そのものやビジネスモデルを大きく変えていくということを考えている中、新しいビジネスモデルを持ち、ユニークな戦略でこれを実際に実行しようとしている多様なビジネスパートナーとタッグを組んでいこうという思いで、さまざまなことに取り組んでいる。そんな中、鴻海 会長である劉揚偉氏の『日本のモノづくりの信頼性/品質と中国のスピードの両方を同時に実現したい』という発言を、ユニークで解像度の高い戦略と戦術で推進しようとしている。これは言葉だけではなく、実が伴っていると感じた」と説明する。

 田中氏は「(鴻海の)関さんの人柄にもほれたが、数年前に会った際に、鴻海の事業戦略やEVに関する動向、これからの考えといったことを説明してもらい、特に、違う業界から市場に参入して自動車を一から作り上げていくことについては、目からうろこが落ちるような感じになった。そのような面で、一緒に事業を進めていくことがわれわれの成長にもなり、産業構造そのものの強靭化にもつながるのではないかと思っている。今回の取り組みはわれわれとしてもワクワクしかない」と強調した。

鴻海と三菱電機モビリティの強みと弱み[クリックで拡大] 出所:三菱電機、三菱電機モビリティ、鴻海

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