今回は、3D CADとAI機能を活用して椅子の3Dモデルを作成することがテーマでしたが、文章や画像から直接3Dモデルを生成してくれるサービスもあります。こうしたサービスでは、寸法やフィーチャ履歴を持つ一般的なパラメトリックCADモデルではなく、STL、OBJ、3MFなどのポリゴンメッシュとして出力されることが多いです。
検討段階でオシャレな椅子のデザイン案が欲しい場合などには、AIで画像や3Dモデルを生成することで、発想を広げるきっかけになるでしょう。生成したメッシュデータを3D CADへ読み込み、デザインを検討するための参考形状として利用する方法もあります。ただし、正確な寸法変更や機械設計に使用する場合には、メッシュの修正やソリッドへの変換、3D CADによる作り直しが必要になることもあります。
試しに、筆者が使用経験のある「Tripo Studio」で、文章から3Dモデルを生成してみました。最初はプロンプトに「シンプル」という言葉を入れたため、条件に沿った比較的オーソドックスな形状になっています。それでも、3D CADで作成した椅子と比べると、曲面を取り入れたデザインになりました。そこで今度は、プロンプトを「オシャレ」に変更し、別の3Dモデルも生成してみました。
今回は「オシャレ」という言葉を入力しましたが、それだけでは色、材料、形状、デザインの方向性が曖昧です。「北欧風」「曲線を生かした形」「青いプラスチック製」など、特徴を具体的に伝えることで、目的に近い形状を生成しやすくなります。また、先にAIでイメージ画像を作成し、それを基に3Dモデルを生成するといった進め方も考えられるでしょう。
今回の問スター(16)を攻略しながら学んでいただきたかったのは、AIにどのような条件を伝えればよいのかを考え、提案されたアイデアを3D CADで正確な形にし、問題がないかを自分で確認することです。
これからの設計者には、3D CADを操作する力だけでなく、AIに目的や条件を正しく伝える力、AIの回答を評価する力、より良い形へ改善する力が求められます。AIを使ったからといって、最初から最適な設計案が得られるわけではありません。しかし、AIとの対話を重ねることで、さまざまなアイデアを試しながら、設計の可能性を広げることができます。
AIを「設計者の代わり」ではなく、「一緒に考えてくれる新しい相棒」として活用していきましょう。
今回紹介した攻略方法はYouTube動画でも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
それでは、新たに登場した問スター(17)に挑戦していきましょう。
ここまでの内容で、椅子の3Dモデルが無事に完成しました。しかし、画面の中で形を作っただけでは、その椅子の魅力を十分に伝えることはできません……。
問スター(17)のお題は、ずばり「作成した椅子の3Dモデルを魅力的に見せよ!」です。色や材質、照明、背景、見る方向などを工夫し、作成した椅子を実物のように表現してみましょう。プレゼン資料や動画を作ってみるのもよいですね。もちろん、ここでも生成AIの機能を活用してみてください。
題材は椅子に限りません。自社の製品などがあれば、それを使って取り組んでみるのもよいでしょう。
問スター(17)の倒し方の手順と、テルえもん直伝の攻略法動画は、次回お届けします。それでは、次のクエストでまたお会いしましょう! (レベル16へ続く)
小原照記(おばら てるき)
いわてデジタルエンジニア育成センターのセンター長、3次元設計能力検定協会の理事長も務める。3D CADを中心とした講習会を小学生から大人まで幅広い世代の人に行い、3Dデータを活用できる人材を増やす活動をしている。また企業の困り事に対し、デジタルツールを使って支援している。人は宝、財産であると考え、時代に対応する、即戦力になれる人財、また、時代を創るプロフェッショナルな人財の育成を目指している。優秀な人財がいるところには、仕事が集まり、人が集まって、より魅力ある街になっていくと考えて地方でもできること、地方だからできることを考えて日々活動している。
【レベル14】生成AIを味方に、3D CADを使いこなそう!
【レベル13】3Dスケッチと座標系で文章指示モデリングを攻略せよ!
【レベル12】文章を読み取って3Dモデルを作成せよ!
【レベル11】3D CADのマルチボディ機能を活用せよ!
【レベル10】これまでの冒険を振り返り、真の3D CADマスターとなれ!
【レベル9】アセンブリ図面を作成せよ!Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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