前回は、3D CADとAIを組み合わせて3Dモデルを作成する、さまざまな方法について紹介しました。今回は、オートデスクの「Autodesk Fusion」で利用できるAIアシスタント「Autodesk Assistant」を使用し、チャット形式で椅子の3Dモデルを作成してみます。
先ほど筆者が考えた椅子の条件を入力し、具体的なサイズはAIに提案してもらいながら3Dモデルの生成にトライしました。図3が実際に出来上がった形状です。
生成された3Dモデルは、画面下のタイムラインに作業履歴が保存されているため、そこからサイズを変更できます。形状の追加や除去といった編集を行うことも可能です。
ただし、今回のように、スケッチを描いて押し出し、フィレットで丸みを付けながら立体化できる比較的シンプルな形状になりがちです。大まかなサイズ感の確認には活用できるので、そこから人間が手動で曲面形状を作成するなどの修正を加え、より魅力的なデザインの椅子に仕上げていく必要があります。
今回はさらに、「GUI(ダイアログ)付きスクリプト」を作成し、以降はサイズを入力することで椅子のデータを作成できるようにしてみました。最終的にはAutodesk Fusionにアドインとして追加し、アイコンを押して実行できるようにしています(図4)。
普段の業務でも、繰り返し作成する部品や定型的な作業があれば、GUI(ダイアログ)付きスクリプトとして用意しておくことで効率化につながります。
Autodesk Assistantを使った椅子の3Dモデル作成は、ひとまずここまでとします。しかし、実際に製品として仕上げていくには、ここからさらに魅力あるデザインへ変更したり、CAEで強度を確認したり、座りやすいサイズや形になっているか、製造しやすいかなどを検証したりする必要があります。そして、最終的な判断と決定を担うのは人間です。AI技術が発展していっても、これは設計者に残る重要な役割といえるでしょう。
3D CADで活用できる設計手法として、もう1つお伝えしたいのが「ジェネレーティブデザイン」です。
ジェネレーティブデザインでは、設計者が寸法や形状を全て決めるのではなく、使用する材料、荷重、固定する位置、避けたい空間、製造方法、軽量化などの設計条件を設定し、コンピュータに複数の形状案を生成してもらいます。文章や画像から外観を作り出す生成AIとは異なり、設計基準や製造条件などを考慮しながら形状を探索する点が特徴です。
過去の連載記事でも、椅子を題材にジェネレーティブデザインを紹介しています。詳細については、そちらの記事を参考にしてください。
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