東京大学と東北大学は、ワクチンに関する誤情報を信じる人の63.6%が、ワクチンを接種済みか接種意向を持つことを明らかにした。誤情報保持の有無で、接種意向に関わる因子が異なる。
東京大学は2026年7月31日、ワクチンに関する誤情報を信じている人の63.6%が、新型コロナウイルス(COVID-19)のワクチンを接種しているか、または接種する意向を示しているという研究成果を発表した。東北大学との共同研究による成果だ。
研究では、2021年9〜10月に実施された15〜80歳、約3万人を対象とした大規模アンケート調査「日本における新型コロナウイルス感染症問題および社会全般に関する健康格差評価研究(JACSIS)」のデータを用いて統計解析を実施した。
その結果、誤情報を信じている人の割合は接種拒否者で36.6%、既接種者で8.1%となり、誤情報の受容が必ずしも接種拒否に直結しないことが明らかになった。同様に、少なくとも1つの誤情報を信じている人のうち、63.6%は接種意向を有していた。ただし、信じる誤情報の数が多くなるにつれて、接種意向のある人の割合は低下した。
また、ワクチン忌避と信じる誤情報の多さには、若年、低収入、インターネットやSNSからの情報収集が共通因子として特定された。
誤情報を信じている人と信じていない人とでは、接種意向に関連する要因に相違が確認された。医師からの情報は両グループにおいて接種意向と関連しており、低収入は両グループにおいてワクチン忌避と関連していた。
誤情報を信じていないグループでは、高齢者ほど接種意向が高く、政府からの情報収集が高い接種率と関連していた。これに対し、誤情報を信じているグループでは、20歳代の若年者で接種意向が高く、政府情報は影響しなかった。
インターネットやSNSからの情報は両グループでワクチン忌避と関連したが、誤情報を信じている人においてより強い関連を示した。一方、テレビや新聞、医師からの情報は、誤情報を信じている層で接種意向とより強く関連していた。
今回の研究により、ワクチンに関する誤情報を信じていることが、必ずしもワクチン接種拒否に直結するわけではないことが明らかとなった。また、誤情報を信じている人と信じていない人では、接種意向に関連する要因が異なる可能性も示された。
この成果は、今後の感染症危機において、対象者の信頼対象や情報環境に応じた公衆衛生コミュニケーションの設計に役立つ可能性がある。
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