高熱ラックを冷やすための冷却システムについても、従来の空冷から液冷(水冷)システムへの移行がデータセンターにおける重要なトピックだ。1ラック当たりの発熱量が100KWを超えるようになると、従来の空冷システムではなく水冷システムが必須となる。
「50KWから100KWを超えると水冷サーバでの運用が前提になってくる。われわれも空冷用システムから、CDU(冷却水分配装置)やラックの中の液体を分岐させるマニホールドといった製品を含めて顧客に提案する機会が多くなっている」(須田氏)
冷却効率を上げるためには、サーバに送る冷却水の温度をいかに高く設定できるかが重要だ。例えば、30〜40℃程度の水(お湯)で冷却できれば、コンプレッサーをフル稼働させることなく、外気を利用したフリークーリングで対応できるため、消費電力を大幅に削減可能となる。
このような背景を踏まえて、シュナイダーエレクトリックでは32℃の高温水を送ることができるチラーを開発し、熱源側から根本的に見直してシステムを構築しているという。須田氏は「GPUサーバの冷却に求められる温度が今後の開発状況で変わる可能性も考慮する必要がある。われわれのチラーを使えば、20℃台もしくは30℃台の熱源に両方対応できる」と語る。
近年では、データセンターの設計や運用において、ソフトウェアによるシミュレーションの導入が進んでいる。この背景を踏まえてシュナイダーエレクトリックは、これまで手作業で行っていた電気図面の確認や保護協調、短絡分析などをデジタル化し、システムトラブルを未然に防ぐ「ETAP」を展開している。
また、シュナイダーエレクトリックのグループ会社AVEVAが展開しているソリューションにも注目が集まっているという。同社のソリューションを活用することで、同ソリューションを活用することで、水冷サーバの導入に伴って配管内の流体解析や水量のシミュレーションを事前に行い、配管の詰まりや流量不足を防ぐ設計が可能だ。
須田氏は「今後のインフラ環境に求められる『ラックの高密度化』『冷却』『デジタライゼーション』について、われわれが持つ知見や技術を『レファレンスデザイン』といった形でまとめて情報を公開している。ここでは、NVIDIAのチップ進化に合わせてこのような設計をした方が良いのではないかという情報がまとまっている」と述べている。
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